一昔前はトースターというと、おもに食パンを焼くシンプルな調理家電でした。しかし、最近は「美味しく調理」する高機能トースターが続々と登場しています。そんななか、高コスパ家電で人気のアイリスオーヤマから登場した製品が「スチームカーボントースター SOT-401」です。
製品名からわかるように、アイリスオーヤマのトースターとしては初めてカーボンヒーターを搭載しています。アイリスオーヤマはこれまでも多くのトースターを発売していますが、カーボンヒーターを採用することで何が変わるのでしょう? 気になる味を実際にチェックしてきました。
カーボンヒーターでトーストをカリッと加熱
アイリスオーヤマのトースターは、スタンダードな「トースターらしいデザイン」がほとんどでしたが、新製品はまずデザインが特徴的。本体の形状は全体的に丸みを帯びており、ツヤを抑えた塗装で高級感を演出しています。カラー展開もミルクベージュ、テラコッタ、ストーングレーというトレンドのくすみカラーを採用しており、レトロでかわいらしい印象です。
スチームカーボントースターのもっとも大きな特徴といえるのは、名前にもある「カーボンヒーター」の採用。庫内上部に2本のカーボンヒーター、下部には2本の石英管ヒーターを配置しています。
標準的なトースターは、一般的にコストの安い石英管ヒーターだけで構成されていますが、石英管ヒーターは最高温度に到達するまでに数分かかります。一方、カーボンヒーターは石英管ヒーターより高火力なうえ、数秒で発熱して高温になる立ち上がりの早さがあります。しかも遠赤外線によって、食材の内部まですばやく熱を通せるのです。
食パンは「外はカリッと、中は水分を保持してしっとり」が理想的。このためには、すばやく高火力でパンの周りを焼き、中に水分を閉じ込めることが大切です。つまり、カーボンヒーターは石英管ヒーターよりトーストを焼き上げることに向いています。
ちなみに、下側のヒーターが石英管である理由を聞いたところ「焼き上がりのバランスとコストによるもの」とのこと。カーボンヒーターを搭載した4枚焼きトースターは2万円を超えるものも珍しくないので、スチームカーボントースターはコストパフォーマンスが良いといえるかもしれません。
いざスチームカーボントースターで調理! 気になるトーストを実食
実際に、スチームカーボントースターを使って食パンを焼いてみました。製品名に「スチーム」とあるように、食パンを焼く場合は水の補給が必要。扉を開くと左側にガイドが飛び出てくるので、このガイドに水を入れたスチーム用カップをセットして調理を始めます。
最近はこういった「水をセット」するトースターも増えましたが、カップのセット位置が焼き網下の下ヒーター付近であることが多く、製品によってはセットに手間取ることがありました。スチームカーボントースターは「飛び出たガイドにのせる」という構造のため、水をセットしやすい作りです。
操作は本体左の「温度」ダイヤルと、右の「タイマー」ダイヤルを回すだけ。設定温度は100℃~280℃、タイマーは最大15分です。トーストは基本的に280℃で調理します。トーストなら1枚で2分~2分半、4枚なら2分半~3分半の加熱が目安。今回は2枚調理ですが、4枚切りの食パンを使ったこともあり、やや長めに3分半の加熱です。
焼き上がりは、食パン中央の焼き色がやや濃い目ながら、焼きムラも少なくなかなか良いできばえです。少し気になったのはスチーム用カップ直下の焼き色が甘いこと。トーストを焼くときは、食パンを焼き網のやや右寄りに置いたほうが良さそうです。
気になる味は、たしかに食感がカリカリ。今回は4枚切りの分厚い食パンで試食をしたのですが、中までしっかり加熱されているのにふっくらとした仕上がりでした。
お手入れ面ですが、本体下側にパンくずトレーを配置しています。汚れやすい焼き網は、ガイドにのっているだけなのでサッと取り外して洗えます。
今回は食パンとお餅を調理して試食をしましたが、厚切食パンの味はなかなかのもの。アイリスオーヤマのベーシックなトースターと比較すると、焼きムラもかなり抑えられていました。
トースターは見える場所に出しっぱなしにしている家庭がほとんどなので、これまでのアイリスオーヤマ製トースターにはないトレンド感あるデザインも魅力。カーボンヒーターを採用した4枚焼きトースターとしてはリーズナブルな価格も見逃せません。これから「ちょっと良いトースター」の購入を考えている人は、候補のひとつにこのスチームカーボントースターを入れてみてはいかがでしょうか。