カリッと焦がす「サラマンダーモード」でトーストの味が豊かに

「欲しいオーブントースターはどれ?」「おしゃれなオーブントースターはどれ?」「美味しく焼けるオーブントースターはどれ?」と聞かれたら、必ずといっていいほどトップクラスに食い込んでくるのが、バルミューダの「BALMUDA The Toaster」。2015年の登場以来、その人気は衰えることなく、販売台数にして累計150万台(2021年12月時点)を突破しています。

そんな「BALMUDA The Toaster」から2022年9月、ついに新機能を搭載した新モデル「BALMUDA The Toaster Pro」(2022年11月時点の直販サイト価格は35,200円)が登場しました。新機能とは「サラマンダーモード」です。

……サラマンダー? サラマンダーってなんだ?(火蜥蜴? 火の精霊?)

初めて聞く言葉に、まったくピンと来なかった筆者ですが、それもそのはず。料理の仕上げとして高温で焦げ目や焼き目をつける調理器具だそうで、おもにレストランなどで使われているプロ仕様の調理器具だそう。それゆえ製品名も「BALMUDA The Toaster Pro」と、従来の製品名の後ろに「Pro(プロ)」の名を冠しています。

  • バルミューダの大人気オーブントースターに新機能が搭載され、プロの仕上がりを実現!

それにしても、そもそも美味しく焼けるバルミューダのトースター。サラマンダーを加えたところで、そんなに大きな違いがあるのかな。ちょっとは美味しくなるだろうな。そんな思いで試食した瞬間……ぜんぜん違う! と心から感動しました。焦げ目がつくことによって、カリッと感、立ち上がる香りがアップし、パンの甘みと焦げの苦味が強調されています。焦げ目ひとつで、こんなにトーストの味が豊かになるとは、さすがプロの技!

そんなわけで改めて「BALMUDA The Toaster Pro」を自宅でじっくり使ってみました。

焦げ目をつけるだけの機能が美味しさを格上げする

「BALMUDA The Toaster Pro」は一見、従来製品と同じようなデザインですが、ハンドル部分をメタリックにすることで、プロ仕様の高級感が伝わってきます。そしてモード選択ダイヤルの最後に「Salamander(サラマンダー)」が追加され、それ以外は従来製品と同じです。

  • パンを焼くときに、5ccの水を加えるバルミューダ発祥のスチーム機能も従来どおり

  • 左から、トーストモード、チーズトーストモード……と続き、最後に「サラマンダーモード」があります

サラマンダーモードは、トーストやグラタンを一通り調理した最後に、焦げ目をつけるために使います。通常のモードでは上下のヒーター管がそれぞれ加熱されますが、サラマンダーモードは上のヒーター管のみにパワーを集中させることによって、高火力で焦げ目がつけられるそうです。

  • 通常のトーストモードでは、庫内は赤黒く光っています

  • サラマンダーモードにすると、庫内が一気にまぶしいオレンジ色に

さっそくトーストで試してみました。まずは通常のトーストから。焼き網の上に食パンを乗せ、5ccカップで水を入れ、3分間トーストしました。

いつも通り、多くの人が絶賛するバルミューダのトーストです。続いてもう1枚、こちらは同じようにトーストした後、サラマンダーモードで仕上げました。

  • サラマンダーモードで焼き始めてから、30秒ほどで焦げ目がついてきました

  • 1分経過すると急に焦げ目が! 急いで止めました

  • ちょっと濃いめに焦げてしまいましたが、焦げ目好きな筆者としては問題なし

実際に食べてみたところ、やはりサラマンダーのほうが、トースト表面のカリッとした香ばしさが圧倒的。それでいて、中のもっちり感がしっかり残っていて、本当に美味しい。つくづく自分は、焦げ目派であることを実感しました。

  • 割いてみると、中からふわっと小麦の香りが漂います

ちなみに、トーストをサラマンダーモードで焼くとより美味しくなるのは、「メイラード反応」によるもの。糖やアミノ酸を加熱すると、こんがりとキツネ色に色づき、旨みや香りが出るそうです。ただしこれ以上加熱すると、今度はただの焦げ(炭化)になってしまうので、サラマンダーモードで焼いているときはじっくり見張っている必要があります。

チーズトースト×サラマンダーの美味しさにどハマり!

サラマンダーモードの魅力と使い方が分かったところで、では何をサラマンダーしたら美味しいのか、試してみたくなりました。

【チーズ】
美味しいに違いないのはチーズトーストですが、実際にやってみると想像以上。チーズの香ばしいさと香り、そして濃厚さがアップしました。チーズがふつふつと湧き上がり、焦げ目もいい具合。簡単に作れるのですっかりハマり、毎朝チーズトースト(サラマンダー仕上げ)という日が続きました。

  • このふつふつ後の立体感と焦げ目! ただのチーズトーストが濃厚なご馳走になります

さらに焦げ目といえば、チーズグラタン。こちらも想像通り美味しく仕上がりました。ひとつ失敗したのは、大きめのグラタン皿が入らなかったこと。入る皿の大きさは事前にチェックすべきでした。

  • グラタン皿を移し替えて無事、美味しく作れました

【魚介類】
焼き目、焦げ目がつけられると聞いて、試してみたいと頭に浮かんだのが、レストランで出てくるような真鯛のポワレです。レシピを調べてみたら、ポワレとは油を使ってフライパン焼きすることだそうで、結局は鯛の切り身の塩焼きにしました。でも、グリルモードで焼いた後、皮目をサラマンダーでパリッと焼き上げたら、お店で出てきてもおかしくない美味しさ。簡単に作れて、これは幸せ。

  • ナイフを入れるとサクッと皮の音がします。でも加熱しすぎていないから、身はふっくら

じゃあ、お寿司の炙りはできるの?ということで、試してみましたが、これは微妙な結果。もともと水分が多い食材なので、焦げ目がつく前に、ネタが加熱されてしまいそうだったので、途中で引き上げることに……。

  • 一瞬「このままで食べてしまいたい!」とも思いましたが、チャレンジ

  • 残念ながら焦げ目がつくまで耐えられませんでした。脂が多いサーモンや中トロは美味しさが引き立ちましたが、鯛は乾いてしまった印象

  • ちなみに、サーモンやエビにチーズを乗せて焼いたら、そのチーズが焦げて美味しく仕上がったので、これはアリ!

【焼きおにぎり・焼き餅】
続いて、焦げ目が美味しい料理として、焼きおにぎりを試してみました。筆者は焼きおにぎりが大好き(それも味噌味)なのですが、フライパンで作ると崩れることが多く、もうずいぶん自分では作っていませんでした。

それでも今回、くっつかないホイルシートなどを駆使して裏表をカリッと焼き上げた後、調味した味噌を塗ってサラマンダーで焦げ目をつけたところ、香ばしいにおいが一気に!これも大成功です。

  • ちょっと味噌を塗りすぎた気はしますが、サラマンダーで香ばしさ倍増

焼き目といえばお餅、ということで、お餅も焼いてみました。じっくり焼き、ぷくーっと膨れてきたところでサラマンダーモードに切り替えたところ、表面が一気にこんがり焼けました。

  • このまま、お雑煮やお汁粉に入れて食べたいですね

  • チーズケーキにグラニュー糖を乗せ、カリッと焼いてみたり

加熱の温度、時間、タイミングの重要性を改めて実感

BALMUDA The Toasterにサラマンダーモードが搭載されたのは、もともとホテルでシェフをしていたバルミューダの岡嶋伸忠さんが、ぜひ搭載すべきと強く提案したことがきっかけ。それだけ、このサラマンダー仕上げがいかに料理の美味しさを格上げするか、実感していたのでしょう。気づけば筆者も、「次は何をサラマンダろう?」と探しているほど、ハマってしまいました。今のところ、チーズトーストがナンバーワンです。

そして改めて、料理は加熱の温度、時間、タイミングが大切なんだと知ることにも。もちろん、肉や魚は加熱しすぎると硬くなるとか、水分が飛んでしまう――といった最低限のことは分かっていましたが、逆にプラスアルファの美味しさを引き出すこともできるというのは新発見。このサラマンダーモードも、「どこまで調理した料理を、どれくらいの時間加熱するか」によって、味が変わってくるのかと思うと、さらにサラマンダってみたいという探究心が湧いてくるのでした。