バルミューダは9月1日、トースター「BALMUDA The Toaster」の新モデルとなる「BALMUDA The Toaster Pro」を発表しました。バルミューダのトースターといえば、蒸気を利用したスチームテクノロジーと、きめ細かな温度制御を利用した美味しいトーストで人気。

新モデルでは、新たに「サラマンダーモード」を導入することによって、自分好みの味を追求できるようになりました。新モードの搭載でパンはどれくらい美味しくなるのか? プレス向け発表会にて、新モードで調理したパンやピザ、焼き牡蠣を試食してきました。

  • 新モデルの「BALMUDA The Toaster Pro」は、9月15日発売予定で価格は35,200円

    新モデルの「BALMUDA The Toaster Pro」は、9月15日発売予定で価格は35,200円

  • サラマンダーモードを使って焼いた牡蠣を試食するマイナビニュース・デジタルの林編集長。はたして味は……?

バルミューダのトースターで焼いたトーストはなぜ美味しい?

バルミューダの「BALMUDA The Toaster」は、高級トースターのパイオニア的な存在。今でこそ2万円以上のトースターが数多く存在しますが、BALMUDA The Toasterが登場する前は、トースターといえば5,000円以下で買えるシンプルで安い家電でした。

BALMUDA The Toasterの美味しさの理由は、スチームテクノロジーと温度制御。パンを焼く前に少量の水を投入することで、庫内に水蒸気を発生。水蒸気がパン表面にすばやく熱を伝え、「外はカリカリ、中はモチモチ」のトーストに仕上がります。また、庫内の温度をセンシングしながら1秒単位で上下のヒーターを制御し、パンにあわせた加熱ができるのも特徴です。

  • 現行モデルのBALMUDA The Toaster(写真左)と新モデルのBALMUDA The Toaster Pro(写真右)。基本的なデザインは同じながら、新モデルはハンドルやダイヤルにコッパー風の塗装が施され、高級感がアップしています

  • パンモードで調理する場合は、扉を開いたときに露出する本体上部の水投入口に約5ccの水を投入します

BALMUDA The Toasterは、トースト・チーズトースト・フランスパン・クロワッサンといったように、4種類のパンモードを搭載。さらに、水を使わずに一定の温度(170℃・200℃・230℃)で焼き上げるクラシックモードがあります。新モデルは、これらのモードに「サラマンダーモード」が加わりました。

  • 230℃(クラシックモード)の後に用意された「Salamander(サラマンダー)」メニュー

サラマンダーとは、レストランなどで利用される高火力の上火ヒーターのこと。食材上部をパリッと焼き上げたり、焼き目を付けたりすることに利用される業務用の調理器具です。BALMUDA The Toaster Proのサラマンダーモードは、上ヒーターのみを最大火力で使用する調理モードになります。

  • サラマンダーモードで加熱しているBALMUDA The Toaster Pro。高火力なので食材の焼き色をチェックしながら調理しないと焦げすぎてしまいます。最大火力で加熱するため、ヒーターの光で食材が照らされて視認性はかなり良好です

サラマンダーモードで焼いたトーストを試食、味の違いは?

バルミューダによると、このサラマンダーモードでとくに違いがわかる料理が「バタートースト」。会場では、通常のトーストモードで焼いたバタートーストと、サラマンダーモードを併用して焼いたバタートーストを食べ比べました。

通常のバタートーストは、食パンをトーストモードで3分半加熱。その後、パンにバターを乗せて庫内に戻し、20秒ほど余熱でバターを溶かします。

  • 通常のトーストモードだけで調理したバタートースト

  • 通常のトーストモードで焼いたバタートーストを試食する、マイナビニュース・デジタルの林編集長。「表面がサクッと歯ざわりよく、中はモチモチと柔らかいバルミューダらしい美味しさ」(林)

BALMUDA The Toaster Proのサラマンダーモードを併用する場合、トーストモードの加熱を30秒ほど短く設定します。そして、トーストモードで加熱が終わったら、サラマンダーモードで30秒間ほど追加で熱します。自分の好みの焼き色になったら調理をストップします。

  • トーストモードとサラマンダーモード(約30秒)を併用して調理したバタートースト。通常モードの焼き方と比較して、表面全体に焼き色がしっかりと均一に付いています

サラマンダーモードを併用したバタートーストは、鼻から抜けるような魅力的な香ばしさが味わえます。さらに、食感も通常モードのトーストよりもちょっとだけカリッとクリスピーです。特筆したいのは、パンの焼き色は濃くなってクリスピーさは増しているものの、クラスト層(クリスピーで固い部分)は薄いままであること。しっかり焼き色が付いているのに、トーストのクラム(もちもちで柔らかい部分)は乾燥せず、しっとりモチモチです。

  • サラマンダーモードを併用して調理したパンの断面。しっかりとした焼き色なのに、クラストは薄いまま

サラマンダーモードで調理のバリエーションが大幅アップ

サラマンダーモードでは、最大火力で食材の表面を加熱します。このため、パン以外でも「素材の水分は残したいけれど、焼き色はしっかり付けたい」という調理にぴったりです。発表会では、薄い生地が特徴のニューヨークピザも登場。薄い生地にもかかわらず、チーズに焼き目を付けながら、中心部はモチモチとしっかり水分が残っていました。

  • 発表会で提供されたニューヨークピザ。230℃のクラシックモードで4分半、サラマンダーモードで約1分加熱したもの。かなり薄い生地でしたが、中心部は乾燥せずにモチモチとした食感を保っていました

サラマンダーモードは「表面はカリッと焼きつつ、食材中心の水分は残す」特性があるため、火を通しすぎると固くなる魚介類の加熱にも最適です。発表会では殻付きのオイスターと有頭海老のグリルがふるまわれました。いずれも食材にガーリックバターとパン粉をまぶし、クラシックモードの200℃で4分加熱。その後サラマンダーモードで1分、追加の加熱をしています。

  • パン粉の部分はバターでカリカリに調理されているのに、牡蠣やエビの中心部は半分レアでプリプリの食感! とてもトースターで調理したとは思えないクオリティです

  • 最後はクレーム・ブリュレ。上のカリカリとしたカラメル部分は、一般的にはグラニュー糖をまぶして高火力バーナーであぶって作ります。BALMUDA The Toaster Proの高火力なサラマンダーモードなら、約5分加熱することでカラメル化が可能です

バルミューダ初の「プロ」というネーミングに込められた思い

これまでのBALMUDA The Toasterは、食パンをセットしてトーストモードにすれば、トースターが庫内温度をチェックして最適な焼き加減を実現してくれました。このため、失敗なくいつでも美味しいトーストが楽しめますが、ある意味「一般的に美味しいといわれる美味しさ」が限界ともいえます。一方、新しいBALMUDA The Toaster Proのサラマンダーモードを使うと、自分が好きな味のトーストを追求できます。

バルミューダの代表取締役でBALMUDA The Toaster開発者でもある寺尾玄氏は、従来のBALMUDA The Toasterは、誰が使っても平均を大きく超える90点のトーストが作れる製品だといいます。しかし、個人によって好みがあるため100点の仕上がりにはできませんでした。

  • バルミューダ 代表取締役 寺尾玄氏。チーフデザイナーも務めます

新しいBALMUDA The Toaster Proは、サラマンダーモードで仕上がりを手動で調整できるので、試行錯誤を繰り返して「完全に自分好みの味」を作り出せます。

サラマンダーモードは高火力なので、油断するとパンが焦げすぎるといった失敗もあり得ますが、寺尾氏は新製品を「ユーザーが試行錯誤を繰り返しながら、最終的に自分の好みの味を作り出す『作る楽しみ』がある製品」とコメントします。実際、発表会では寺尾氏がサラマンダーモードでトーストを焼きすぎて、微妙に失敗したシーンもありました。

BALMUDA The Toaster Proの「プロ」とは、プロ仕様の調理機器という意味ではなく、プロのように味を追求できるトースターという意味なのです。

ちなみに、サラマンダーモードを搭載しない現行モデルのBALMUDA The Toasterも継続して販売します。失敗なく美味しいトーストを焼ける現行モデルか、試行錯誤もできる新モデルか、自分のスタイルにあわせて選んでみてください。