NASキットメーカーとしてCP+にはかなり前から出展していた、台湾のSynology。今年は、製品ラインナップの多さと写真愛好家向けの使い勝手のよさを紹介していました(近年無線LANルーターも手掛けていますが、今回は展示なしでした)。

  • NASキット製品では定評のあるSynology。キットといってもHDDのベアドライブを別途買ってきて差し込むだけで完成します。デスクトップ用も使えなくないそうですが、24時間稼働のNAS用HDDを推奨しています

SynologyのNASは、ハードウェアの進化よりも独自OS「DSM」の進化で使い勝手を上げる方針で、結果として新製品は年に2~3程度出るぐらい。ところが、今年は8ベイの「DS1823xs+」、4ベイの「DS923+」、2ベイの「DS723+」「DS223」と、2023年度は製品を4つも展示していました。

  • 今回は2023年モデルを多く展示。ValueシリーズのDS223は、今までサポートしてなかったBtrfsをサポートしているのがそそります

  • PlusシリーズのDS723+。拡張ベイに対応しており、最大7台の構成に対応。現在のPlusシリーズは、Dockerや仮想マシン対応と、NASとは思えない動きを見せてくれます

  • 同じくPlusシリーズのDS923+。これも拡張ベイに対応して、最大9台構成対応。型番は最後の2文字が年式、その前の数字が最大許容HDD数を意味します

  • さらにパワフルになった中小企業向けのDS1823XS+。CP+2023の2日目の2月24日に公式発表され、10Gイーサネットを標準でサポートしています

筆者は、古いSynology NASを2製品使っていますが、現在の製品はPlusシリーズでM.2 SSDキャッシュスロットをサポートしているほか、Valueシリーズでも高い拡張性と耐障害性を実現するBtrfsをサポートしているので、ちょっと心が揺れました。

Plusシリーズ以上では、10Gイーサネットが標準またはオプションになりますが、周辺製品がまだ高いこともあり、来場者からは2.5Gイーサネットへの対応を尋ねる声が多かったようです。ただ、ある程度の上位製品では1Gイーサネットを2ポート搭載しており、HUBが対応していれば1+1=2と束ねて使えます。

DSMの最近の新機能として、Active Backup for Busines 2.5からmacOS(10.15.17のCatalina以降)にも対応。もちろんWindows、Linuxにも対応しており、単なるファイルバックアップの幅を超えた懐の深さをアピールしていました。

  • Active Backup for BusinessはWindows、Linuxに加えて昨年macOSにも対応。端末の自動的なバックアップに対応するようになりました

  • 説明をしていただいたのは、台湾本社Maketing DepartmentのElsa Kao氏

写真に関しては、以前よりPhotosというアプリがあり、画像をカテゴライズして表示したり、NASに接続したメモリカードリーダーやスマートフォンから自動的にNASへバックアップを取る機能があるので、単なるファイルの格納場所としてだけでなく、簡単に保管複製が行えるところが魅力です。

  • 以前はPhotoステーションというアプリや、momentsというアプリがいろいろあったのですが、原稿のDSM7ではPhotosがカテゴライズできて便利です。NASに接続したUSBリーダーにメディアを差すだけで自動バックアップする機能もあります