大切な人を失うというのは、辛いものである。このほど、韓国の会話型AIスタートアップ企業・DEEPBRAIN AIは、人工知能(AI)によって、遺族が故人と再び会話できるサービス「Re;memory」を発表した。ネットには賛否両論の声が寄せられている。

  • 死者と会話できるというAIサービスが韓国で登場し、ネットには賛否の声

    死者と会話できるサービスに、ネットは賛否の声

Re;memory」は、これまでのような故人の録音音声や映像などの一方的なものではなく、双方向のコミュニケーション、対話が可能になるというAIサービスだ。AI技術を活用し、故人の写真や動画から、故人の顔や声、表情などを再現したバーチャルな人間をつくり上げるのだとか。また、故人への事前インタビューを行い、自然な言葉遣いをAIに学習させることにより、さらにリアルな仮想交流を実現できるのだそう。

韓国の会話型AIスタートアップ企業・DEEPBRAIN AIが発表した「Re;memory」

実際の故人との対話サービスは同社のスタジオで行うことになる。スタジオには、大きなスクリーンと高音質サウンドシステムが備えられており、リアルな再会を演出するという。価格は、1人のバーチャルな人間を作るのに日本円換算で約310万円ほどかかるのだそう。同社は、遺族の心を癒し、AIを通じて故人との絆を保つことができるサービスだとしている。

ネット上では「残された者としては、悲しみの支えとなり得るものです」「父を亡くしてまだ1年以内の者としては、それがあればいいのにと思います」と賛成する声がある一方で、「人の悲しみでお金を稼ぐのは廃品回収のようなものです」「これはめちゃくちゃだ。悲しむことは普通のことだ。これは、誰かを終わりのないプロセスに置くことになる」「良いアイデアではありません。あなたの本当の記憶と混ざり合って、新しい記憶を作り出すことになります」と批判的な意見も寄せられている。