佐賀大学と、富山大学の共同研究チームは、アトピー性皮膚炎のかゆみの原因を解明し、その治療薬を発見したと発表した。生命科学の幅広い分野の研究論文を刊行する米・学術雑誌「Cell Reports」に掲載された。アトピー性皮膚炎のかゆみで苦しむ人にとっての朗報だ。

  • アトピー性皮膚炎のかゆみの原因と治療薬が発見される - ネット「こりゃ大発見」「さよならアトピー」

    アトピー性皮膚炎のかゆみの原因を解明、治療薬を発見したという

同研究チームの佐賀大学医学部 出原賢治教授は、以前の研究において、タンパク質のペリオスチンがアトピー性皮膚炎発症に重要な役割を果たしていることを明らかにしていた。

本研究では、人のアトピー性皮膚炎と似た、顔面に皮膚炎と強いかゆみ反応を示すマウスモデル「FADSマウス」と、ペリオスチン遺伝子を欠損させたマウスを使用。FADSマウスは、生後4週目ごろから顔の湿疹部分を激しく掻き始め、生後4カ月が経つと、引っ掻き行為はさらに激しくなったという。一方でペリオスチン遺伝子を欠損させたマウスでは、生後4週目は顔の引っ掻き行動は非常に少なく、生後4カ月経ってもかゆみに対する行動が抑えられていたという。また、FADSマウスに、ペリオスチン阻害剤(CP4715)を投与すると、顔面湿疹が改善され、引っ掻き行動も改善されたという。

これらにより、アトピー性皮膚炎のかゆみの原因のひとつは、皮膚組織で作られるペリオスチンが、知覚神経に作用し引き起こしているということがわかった。

同研究チームは、現在、CP4715の効果について現在特許を申請中で、今後は、治療薬の開発を進めるとしている。

ネット上では「さよならアトピー」「こりゃ大発見!アトピー民は嬉しい方向だよね」「これは本当に嬉しい発明!!」「アトピーで苦しんだ側の人間からすると夢のような話🥺」と喜びの声が多く寄せられた。