2023年の幕開けに、パーソナルコンピュータのハードウェア技術の動向を占う「PCテクノロジートレンド」をお届けする。本稿はGPU編だ。

  • PCテクノロジートレンド 2023 - GPU編

    Photo01: 大原家の家猫になって2週間後。ほぼ毎日通っていた病院の診察台にて。そういえばこの病院ももう閉院に。その節はお世話になりました。

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そのGPU、NVIDIA GeForceとAMD Radeonに割って入るかたちで、ついにIntelがディスクリートGPUに参入したことで三つ巴になった格好であるが、正直言ってIntelのシェアがどこまで獲れたか? というと微妙なところで、やはりNVIDIAの一強体制に大きな違いはなかった。2023年の奮闘に期待したいところではある。

NVIDIA GPU(Photo02)

  • Photo02: 大原家3週間目。だいぶ体調も復調。この頃は兄ちゃんズにべったりくっついていた。

2022年はAda LovelaceベースとなるGeForce RTX 4080とGeForce RTX 4090を発表。製品出荷も始まって何よりといったところ。GeForce RTX 4090がAD102、GeForce RTX 4080がAD103となっており、2種類のダイを同時にリリースした事になる。加えて言えば、当初はよりCUDAコアの少ないAD104も同時に立ち上げ、GeForce RTX 4080 12GB版としてリリース予定だったが、これは流石に誤解を招くと考えたのか、一度キャンセルしている

ということで2023年であるが、最初に立ち上がると思われるのはこのキャンセルされたAD104ダイの製品で、これはGeForce RTX 4070として再投入される事になるだろう。NVIDIAは1月3日の午前8時(太平洋時間:日本時間だと1月4日の午前1時)にGeForce Beyondと呼ばれるイベントを開催するとアナウンスしており、ここでGeForce RTX 4070が発表されると筆者は予想している。

ただそのAD104ですら72SM構成で販売予定価格も$899と結構ハイエンド扱いだった事を考えると、当然この下のグレードの製品が必要になる。普通に考えると48SM(GA104相当)のものが出るのは堅いところで、場合によっては更に下、32SM前後(GA106が28SM、TU106が36SM)程度のグレードも出てくるかもしれない。型番としては48SMのものがAD106、32SMのものがAD107だろうか? AD106ベースのものの販売価格が$599、AD107ベースのものが$299とかなら、結構価格競争力はありそうだ。いずれの製品もTSMCの4Nを使ったものになると思われる。あるいはAD107グレードだけはSamsungのSF4(旧4LPP)ベースとかもあるかもしれないが、可能性は低いと思っている。

ただ2023年中はこれで終わりで、次に来るコアに関しては2023年中はまずなさそうだ。理由はProcessである。今のAda LovelaceがTSMCのN4をベースとしたSpecial Processの4Nプロセスであるが、同社も次はTSMCのN3Eベースを想定している。ただこちらはProcessの所で述べた様に2023年中は逼迫しており、早くて2024年といったところだろう。加えてCrypto Mining需要が激減した関係で、実はまだAmpere世代の在庫がそれなりにあるそうで、なのでNVIDIAとしてはAda Lovelace世代への急速な移行はそれほど急いでいないというか、まずはAmpere世代の在庫をさっさと片づけたいのだろう。そのあたりもあってか、2023年中に関してもAD106が投入されるのは2023年後半以降になると思われるし、AD107は(仮にこれがあったとしても)更に後になるだろう。そんな訳で、これに続くコアは2024年以降となるだろう。ちなみにこの次世代のコアはBlackwellと言われているが、これはData Center向けGPUのコード名であって、Consumer向けが(Volta世代と同じように)Data Centerと共用になるのかは不明である。個人的にはもう分かれるだろう、と思わなくも無いのだが。

ちなみにこれはData Center向けも同じである。2020年にAmpere、2022年にはHopperをリリースしたが、次のBlackwell(名前の由来が不明だが、アメリカで最初に医学校を卒業した女性であるElizabeth Blackwellからなのだろうか?)は2024年の投入とされており、2023年中は動きはなさそうだ(Photo03)。

  • Photo03: これは2021年のGTCの基調講演でのスライド。Ampere NextがHopper、Next NextがBlackwellになる。ただ実は2023年投入予定のGrace(Server向けCPU)が既に2022年にリリースされているなど、実はこのロードマップも今一つ信用ができないのだが。