日本マイクロソフトは2022年12月5日、Windows 11に関する記者説明会「Windows 11 Roundtable & Holiday Showcase」を開催した。Windows 11 22H2の新機能紹介や、自社のSurface Pro 9を含めたパートナー企業のPC販売施策を紹介する内容だ。

やや違和感を覚えたのは、説明会の冠に「Windows 11」を用いていたこと。筆者としても日本マイクロソフトが開催するすべての発表会に出席しているわけではないが、手元の取材データを確認すると、Windowsを主軸とした記者説明会は2018年11月に開催した「Windows 10 & Microsoft Office 2019勉強会」以来。実に4年ぶりだ。米国本社(Microsoft)は2022年だけでも4月と9月にオンライン発表会を開催している。

2019年7月から2022年6月まで日本マイクロソフトの代表取締役社長に就任していた吉田仁志氏の方針や、Windows 10およびWindows 11に対するビジネスモデルの変化、2020年以降のコロナ禍もあいまって開催しにくかったのだろう。ちなみに、2019年以降も年に一度はSurface Proシリーズの説明会を開催していたものの、2023年10月発表のSurface Pro 9に関しては未開催である。

  • Windows 11 22H2の主な新機能

上図はWindows 11 22H2の新機能をまとめたスライドだ。各機能の一部は本レポートや別の連載記事で紹介してきたが、注目は「Defender SmartScreen」「スマートアプリコントロール」の2つ。前者はフィッシング詐欺を未然に防ぐ保護機能を強化し、後者はマルウェアに代表されるアプリの実行を防ぐ機能だ。ただしWindows 11を新規インストールしなければ使えない。

筆者も未検証で詳しくは解説できないが、業務用PCのインストール可能なアプリ制限をコンシューマー向けに提供したものだ。関心を持たれたらヘルプページ公式ドキュメントを参照していただきたい。

  • スマートアプリコントロールはWindows 11を新規インストールしたPCでのみ利用可能

個人的には、コロナ禍以降ほぼ外出せずに自宅兼仕事場のネットワークのみを使っていると、Windowsセキュリティアプリ(旧Windows Defender)によるマルウェア防御やランサムウェア防御で十分だと感じている。ただ、BtoB系企業の取材を通じて感じるのは、年々過激化するサイバー攻撃の増加だ。

たとえばウクライナ侵攻前のロシアは、米国を含むウクライナ同盟国をターゲットに積極的なスパイ活動を行っていたとする見方があり、重要インフラを標的とした攻撃が2021年の20%から40%へと急増したと、Microsoft Digital Defense Report 2022で報告している。Windows 11において一定のセキュリティ機能をシステム要件に含めているのは、数年来セキュリティに注力してきたMicrosoftとして当然なのだろう。

前述のとおり、Windows 11 22H2の機能をフル活用するには、新規インストールしたPCが必要だ。日本マイクロソフトの調査によれば、「PCの買い換え需要はWindows Vista以降、下降傾向にあったものの、(PC購入の理由として)最新OSを希望するユーザーは2.6倍増。用途面では、リモートワーク需要も落ち着いて業務用は35%に減少したが、ゲーミングPCにおいて3年前と現在を比較すると、7%弱から13%強に拡大した」(日本マイクロソフト 執行役員 コンシューマー事業本部長 竹内洋平氏)という。確かに、40代~50代の知人との会話でもゲーミングPCが話題に上り、筆者も「ゲーミングPCではないデスクトップPC」はそろそろ卒業してもいいのかと思い始めてきた。

昔からPCは「欲しいときが買いどき」と言うが、いまひとつ踏み切れない個人的理由がある。コロナ禍直後にPCゲームで負荷をかけて故障した(と思われる)GPUの代替を、転売で結構な高額で購入した経緯があり、時代遅れになるまで使い倒したいのが正直なところだ。筆者のPC環境はしばらくこのままだが、現在、Windows 8.xを使っているユーザーは2022年内、Windows 10は2025年内にPC買い換えのタイミングが訪れる。Windows 8.xは2023年1月10日、Windows 10 Home/Proは2025年10月14日にサポート終了を迎える。

  • 年明けの2023年にはWindows 8.1のサポートも終了する。ユーザーであればPC買い換えのタイミングだ