Microsoftは現地時間2022年11月29日、Windows 11用の更新プログラム「KB5020044プレビュー」をリリースした。適用すると、ビルド22621.819から22621.900に更新され、いくつかの新機能とバグ修正を加えたWindows 11となる。

  • 配信が始まったKB5020044プレビュー

筆者の環境に適用してから数日しか使っていないが、現時点で大きな問題は発生していない。ライトモードを選んだ一部環境では、タスクマネージャーの表示が乱れるとの報告があるものの、この現象は確認できなかった。また、ビルド22621.819までは複数のエクスプローラーを起動すると、まれにツールバーやタブバーが非表示になる現象が発生していたが、ビルド22621.900に更新して落ち着いている。

今回のビルド22621.900で目立つ変更点は、OneDriveの追加ストレージプランを契約したユーザー向けの強化だ。「設定」の「システム」にクラウドストレージの容量がひっ迫すると警告を発する機能を追加し、「アカウント」にもクラウドストレージ容量全体を把握する項目が現れる。現在、筆者はMicrosoft 365 PersonalもOneDrive追加ストレージプランも契約していないためか、この変化は確認できていない。ほか、Windowsスポットライトとテーマ機能の連携も強化させている。

  • OneDriveの契約内容が「設定」に加わる(公式ブログから)

PCを業務利用しているユーザーにとっては、組織向けメッセージ用の新モバイルデバイス管理ポリシーが加わったことも大きい。こちらも未検証なのだが、クラウドベースのエンドポイント管理ソリューションであるMicrosoft Intuneを経由して、組織のメッセージを配信する機能だ。これは先日「Organizational messages for Windows 11」がパブリックプレビューに達したのも大きいだろう。詳しくはMicrosoftの公式ブログを参照してほしい。

  • Organizational messages for Windows 11によるメッセージ(公式ブログから)

Microsoftはサポートページにて、「年末年始の運用は最小限となり、2022年12月はセキュリティ以外のプレビューリリースはない」と述べている。つまりKB5020044プレビューに問題がなく、2022年12月の月例更新プログラムとして登場すれば、2022年内の機能更新は終了だ。手元にサブPCがあれば、KB5020044プレビューを試してみて、問題がないようであればメインPCにインストールするとよい。

さて、Windows 11は年2回の大型更新を年1回へと変更し、月々の更新プログラムを通じて新機能を順次提供してきた。これが「Moments」と呼ばれる開発計画だ。例えば「タブ付きエクスプローラー」はMoments 1に含まれ、2023年初旬を予定しているMoments 2でも何らかの新機能が加わるだろう。

MicrosoftがMoments計画を推進する背景には、Windows 7やWindows 8.xのように「3年ごとのメジャーバージョンアップ」に舵(かじ)を戻すためとのウワサも聞こえる。正直なところ面倒半分、楽しみ半分だが、こうなると2024年にWindows 12(仮)が登場する可能性も否定できない。