Appleが提供するビデオ通話サービス「FaceTime」は、基本的にはApple IDを持つApple製デバイス(iPhoneやiPad、Mac)を対象としています。FaceTimeから映像を除いた音声だけのサービス「FaceTime Audio」も同様にApple製デバイスの利用が前提で、Androidなど他の端末は考慮されていません。

しかし、iOS 15で登場した「FaceTimeリンク」を使えば話は変わります。iPhoneでFaceTimeリンク(URL)を作成し、メールやSNSなどAndroid端末でも受信できる方法で送信すれば、WEBブラウザの機能を利用してiPhoneとビデオ通話できるのです。

Android端末に届いたFaceTimeリンクをChromeなどのWEBブラウザで開くと、Appleが運営するサーバに接続し、リンクを送信した人物を含むグループでのビデオチャットに参加できます。ビデオカメラは手動でオフにできるため、FaceTime Audioに近い条件で音声通話できるというわけです。

基本的にはWEBブラウザを利用したビデオチャットですから、iPhone同士のように電話アプリで発信/着信することはできません。Android端末はビデオチャットの招待を受けるのみで、iPhoneに"電話する"ことができないため、一方通行のコミュニケーションとなってしまいます。

とはいえ、通話料がかからないうえ、E2EE(End-to-End Encryption)で暗号化されるという高い安全性も備えています。音声品質も優れているため、親しい相手と長い時間話すにはいい選択肢といえそうです。

  • Android端末とFaceTimeで通話できる?