Amazonは11月30日、音声AIアシスタント「Amazon Alexa」の活用事例として、日本郵便がスマートスピーカー「Amazon Echo」を使用して提供している高齢者見守りサービスを紹介する説明会を開催しました。

  • アマゾンジャパン Amazon Alexaインターナショナル 事業開発本部 本部長の澤田大輔氏(右)と、日本郵便 地方創生推進部 担当部長の小川晃弘氏(左)

郵便局がスマートスピーカーを設置、自治体が遠隔で見守り

日本郵便では2022年1月から、地方自治体向けに「スマートスピーカーを活用した郵便局のみまもりサービス」を提供しています。

このサービスは、地域の高齢者宅に郵便局員が「Echo Show 10」などディスプレイ付きのスマートスピーカーを設置し、日々の体調や睡眠、服薬などの健康状態をリモートで確認できるようにするもの。

高齢者は日本郵便が開発した「Amazon Alexa」用のスキルを通じて、スマートスピーカーと対話しながら質問に答えます。継続利用してもらえるように、クイズや「今日は何の日」といった楽しめる情報や、達成するとスタンプがもらえるといった工夫もされています。

一方の自治体側は、24時間返答のない高齢者や、ネガティブな回答のあった高齢者を把握し、フォローアップすることが可能。また地域情報の配信や、災害時にの情報伝達や安全確認、体操動画の提供などを通じて、健康維持を促せます。

離れて暮らす家族も、スマートフォンのLINEを通じて高齢者の状況を把握できるほか、「Amazon Echo」に写真やメッセージを送ったり、ビデオ通話をしたりすることができます。

  • 「スマートスピーカーを活用した郵便局のみまもりサービス」の活用事例

  • 高齢者宅での導入の様子。8割の高齢者からポジティブな反応を得ているという

  • 地方自治体向けに提供されるサービス管理画面のイメージ。ここの状況を把握して対応に優先順位をつけられる

  • 離れて暮らす家族はLINEを通じて、状況の把握やコミュニケーションが可能

「生活に馴染んだ」高齢者の8割から良好な反応

日本郵便では実証試験も含めて、これまで12の地方自治体にサービスを提供。それぞれの自治体ごとに20~60の世帯に対して、「Amazon Echo」を設置してきました。その多くが80歳以上の独居世帯とのことですが、日本郵便 地方創生推進部 担当部長の小川晃弘さんによれば、約8割の人から「生活に馴染んだ」などポジティブな反応を得ているといいます。

  • 全国の地方自治体に導入実績があり、2022年12月からは新たに東京都三鷹市や愛媛県宇和島市でもサービスが開始される

過去にはタブレットを使用したトライアルを実施したこともありましたが、タッチ操作の難しさや、何度も画面をタップしなければならない手順の煩わしさが壁となり、安定的にサービスを提供できないという課題があったとのこと。

スマートスピーカーでは、こちら側から話しかけることができ、音声で答えるという受動的な利用が可能なことから、前述のように約8割という高い利用率を得ているそうです。

日本郵便では今後このサービスをさらに、地方公共団体や地域の様々なプレイヤーが活用できるプラットフォームへと育てていきたい考えです。

  • スマートスピーカーを使用したプラットフォームの活用イメージ

デモンストレーションでは、郵便局のキャラクター「ぽすくま」がスマートスピーカーの画面に登場し、健康状態を尋ねるやり取りや、災害時の安否確認の様子が紹介されました。

  • 定時に起動する「ぽすくま」スキルからの質問に「はい」「いいえ」で答えるしくみ

  • 災害時には地方自治体から緊急情報を伝えたり、安否確認にも使用できるという

Amazonでは加えて、ハンズフリーでの音声操作や家電や照明の消し忘れを防ぐスマートホーム機能、スマートフォンで来訪者を確認できる「Ring Video Doorbell 4」や「Ring Indoor Cam」などを通じた家族の見守りサポート、ビデオ通話機能など、「Amazon Alexa」の高齢者に役立つ機能を紹介。また「Echo Show」シリーズとインターネット接続サービスのセット販売や、接続サービス事業者による訪問サポートが利用できることも紹介されました。

このほか、米国で2021年10月から展開している、「Amazon Alexa」を活用した高齢者施設向けのサービスを、今後日本にも導入していきたいとしました。

  • 高齢者と離れて暮らす家族に役立つ「Amazon Alexa」の機能を紹介