暮らしの中でふと出てくるいろいろなお悩み、家電を利用して解決できることは多いもの。IT・家電ジャーナリストで家電製品総合アドバイザーの安蔵靖志さんに、おすすめ家電や使い方を紹介してもらいます。

今回のご相談

数年前に父が亡くなってから、実家では母が一人暮らしをしています。最近は足腰も弱ってきており、元気に暮らしているのかどうか、毎日のように不安を感じています。見守りができる家電があると聞いたのですが、あいにく実家にはインターネット回線がありません。そんな環境でも使える見守り家電はありますか?(50代・女性)

ハローライトの「HelloLight」(実勢価格:10,780円+月額165円~)をおすすめします

離れて暮らす家族が高齢化していくと、心身の健康や生活状況が気になりますよね。ひんぱんに帰省するのも難しいという人も多いことでしょう。そんなニーズに応えてくれるのが「見守り家電」です。

家の外や中を監視できるセキュリティカメラや、人の動きを検知するとお知らせしてくれる人感センサー、人感センサー付きのLED電球などさまざま。ただし、そのほとんどがWi-Fi(無線LAN)経由でインターネットに接続する必要があります。

  • 見守り機能を内蔵したLED電球「HelloLight」。色温度は3,000Kで、いわゆる電球色といわれるややオレンジっぽい明かりです

インターネット回線がなくても使える見守り家電の中でおすすめしたいのは、ハローライトの人感センサー付きLED電球「HelloLight」です。人感センサー付きLED電球にはいくつかの製品が販売されていますが、HelloLightのおすすめポイントは以下の通りです。

  • E26口金に対応するLED電球なので、どこにでも設置しやすい
  • 通信機能を内蔵し、異常を検知するとメールでお知らせ
  • 月額165円から利用できる

【ポイント1】E26口金に対応するLED電球なので、どこにでも設置しやすい

HelloLightは一般的なLED電球や白熱電球と同じE26口金に対応しているため、トイレ、バスルーム、スタンドライトなど、電球を使える場所であれば大半の場所に設置できます。電球を使える照明器具なら、シーリングライト用の引っ掛けローゼットに装着することも可能です。明るさは80ルーメン(40W相当)、定格寿命は30,000時間、定格消費電力は7Wとなっています。

見守り用途には、生活していると必ず使う家電を利用するのが最適です。その点では、1日中家にいてトイレを使わないことはほとんどないと思われます。トイレの電球がオン・オフされることによって、生活状況を見守れるのはベストではないでしょうか。

  • E26口金と、対応するLED電球(写真のLED電球はHelloLightではありません)」

【ポイント2】通信機能を内蔵し、異常を検知するとメールでお知らせ

HelloLightは電球内にSIMを内蔵しており、2G/LTEの通信機能をHelloLight単独で使えることが大きな特徴です。電球のオン・オフを検知すると内蔵SIMが通信を行い、基地局経由でクラウドに送信されます。

24時間電気がつかなかったり、逆につきっぱなしだったりするなど、異常を検知するとユーザーにメールでお知らせしてくれる仕組みです。異常を検知しない場合でも、1週間の使用状況をレポートしてくれるようになっています。

  • HelloLightの通信・見守り・通知の仕組み(HelloLightのパンフレットから)

【ポイント3】月額165円から利用できる

HelloLightは本体価格が10,780円で、「ベーシックプラン」の場合は月額165円で利用できます。ベーシックプランは前日の0時~23時59分までの間に点灯しない、もしくは連続点灯しているような異常を検知した場合に限り、翌日10時にメールが送信されるというものです。正常に利用している場合は、異常検知のメールは届きません。

月額495円の「スタンダートプラン」は、設定した時間帯に点灯・消灯がない場合に同じく設定した時刻に通知する「期間検知」機能のほか、点灯すると即時にメールでお知らせする「点灯検知」機能を提供しています。ベーシックプランは通知先がメールアドレス1つだけですが、スタンダートプランは最大5つまでのメールアドレスと、契約者のLINEにお知らせする機能があります。

例えば「朝起きたらすぐにトイレを使う」といった生活パターンがあるとしたら、スタンダートプランなら「朝5時から10時までに点灯しなかったら昼12時にお知らせ」といった使い方ができます。

  • HelloLightの料金プラン(HelloLightのパンフレットから)

ちなみにヤマト運輸では、HelloLightが異常を検知したときの通知に加えて、通知先のユーザーが依頼するとヤマト運輸のスタッフがHelloLightを設置した家を訪問してくれる「クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン」を月額1,078円で提供しています(初期費用0円、電球は貸与)。依頼受付時間は9時~18時となり、訪問可能なのは設置先を管轄するヤマト運輸営業所の営業時間内のみですが、よりしっかり見守りたい人はこちらも検討してみるといいでしょう。

こんな見守り家電もおすすめ

■冷蔵庫の開け閉めを検知してお知らせしてくれる外付けセンサー
ネコリコ「まもりこ」(直販価格:13,200円+月額550円)

  • ネコリコの「まもりこ」は、冷蔵庫ドアの開け閉めをもとに異常を判断します

冷蔵庫の側面もしくは上部に設置した「まもりこ」端末が冷蔵庫ドアの開閉を検知して、一定時間動きがない場合だけ、異変をスマホアプリに通知してくれるサービスです。こちらもHelloLightと同様に通信機能を内蔵しており、まもりこ端末をコンセントにつなぐだけでインターネット回線がなくても見守りができます。1日3回(8時/14時/20時)、最新の見守り結果をスマホアプリにお知らせしてくれるほか、1時間ごとの生活リズム(最新の活動時間・活動の記録)や、開閉時点での温度・湿度をアプリで確認できるようになっています。

■人感センサーで見守りしてくれるコミュニケーションロボット ネコリコ「BOCCO emo LTEモデル Powered by ネコリコ」(直販価格:50,600円+月額1,540円)

内蔵の人感センサーで室内にいる人を検知し、12時間/24時間/48時間以上、人を見かけなかった場合にスマホアプリに通知する機能を備えた、通信機能内蔵のコミュニケーションロボットです。温度・湿度・気圧・照度・TVOC(空気の汚れ)・騒音センサーを内蔵しており、熱中症などの危険があれば部屋にいる人に話しかけて教えてくれる機能などを搭載しています。

ユーザーは「emo」と会話できるようになっており、あいさつをした場合でもアプリに通知してくれます。「機器購入&月額プラン」の場合はemo本体が直販価格50,600円で月額1,540円ですが、「機器レンタルプラン」は初期費用が無料となり月額2,970円で利用できます(最低利用期間は1年間、期間内の解約時は解約金8,800円が必要)。