経団連の十倉雅和会長が、新卒者以外の採用で広く使われる「中途採用」という呼称をやめ、「経験者採用」に呼称を統一する考えを明らかにしたことが、ネットで話題になっている。
今回の呼称変更への言及には、「中途」という言葉が与える否定的なイメージをぬぐい、円滑な人材確保を促し、経済の活性化につなげる狙いがあるとのことだ。
経団連は例年1月に、春季生活闘争(春闘)の経営側の基本スタンスや、雇用・労働分野における経団連の考えを示す「経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)」をまとめるが、その中にこの呼称変更に関するものを盛り込むようだ。来年から経団連の会員企業向けの書類やアンケートなどを「経験者採用」の表記に統一し、会員企業にも採用活動などでの使用を推奨してくという。
ただ、あくまで経団連が提唱する呼称であり、この表記が一般に定着するかどうかはわからない。人材採用の課題が叫ばれる中、改革を進める必要は間違いないだろうが、仮に言葉を「中途採用」を「経験者採用」に改めただけで、中身を伴う実利が得られるのかという意見もあるだろう。
ネット上では「新卒と中途の区別をやめれば良いのに」「未経験の業界にチャレンジしているので、分かりづらくなるからやめて欲しい」「経験者採用って用語だと『転職して業界違いの会社に入社する』人はどうするの?経験者って『社会人経験あり』っていう意味??」など、さっそく様々な意見が寄せられている。