アンカー・ジャパンは、新製品発表会「Anker Power Conference 2022 Fall」を10月27日に都内で開催。ポータブル電源やUSB急速充電器、完全ワイヤレスイヤホン、モバイルプロジェクターなどの新製品を一挙に発表しました。本記事で改めて紹介していきましょう。
GaN搭載のメリット活かした大容量・高出力ポータブル電源
報道陣向けの発表会に登壇した、同社のマーケティング本部長の吉野優希氏は、はじめに「世界で初めてポータブル電源にGaN(窒化ガリウム)を搭載した画期的なモデル」としてポータブル電源「Anker 767 Portable Power Station (GaNPrime PowerHouse 2048Wh)」を紹介。2,048Whの超大容量と2,000Wの高出力を兼ね備えた製品です。吉野氏はGaN搭載により「さらに長く電力供給が可能」になり、「さらなる長寿化」を果たし、「より安全に使えるようになった」と説明しています。
具体的には、GaN最大の特徴であるエネルギー変換効率を96%まで高めたことで電力ロスを最小化し、高品質なリン酸鉄リチウムイオン電池を搭載することでサイクル回数(1サイクル=充電0%から100%、100%から0%の一周)を3,000回まで高めたほか、発熱を抑えるGaNにより本体や部品へのダメージを軽減したことで、より静かに安全に使えるようになったとのこと。
Anker充電器×ピカチュウコラボ登場、ピチュー・ライチュウも
続いてAnkerブランドの新製品として、豊富なカラーバリエーションが魅力の充電器シリーズが登場。「iPhone 14シリーズにぴったりの新製品です。お手持ちのiPhoneのカラーに合わせたり、好きな色で揃えるという“充電製品の新しい選び方”を提案してまいります」(吉野氏)と紹介。淡いカラバリがとても上品な仕上がりです。
また新しい切り口として、3匹の電気タイプのポケモンをモチーフにしたUSB急速充電器を紹介。
超コンパクトサイズながら20W出力が可能な「20Wピチューモデル」、3台同時に充電可能な「65Wピカチュウモデル」、PC・スマホ・イヤホンなど3台同時に急速充電が可能な「120Wライチュウモデル」を11月10日より発売します。「ポケモンの世界観が楽しめる充電器を、お使いの環境に合わせてお選びください」と吉野氏。ケーブルまで同色でまとめられている、こだわりのデザインです。
最後に、ガジェット周りをApple製品で揃えているユーザーに向けた「Anker 3-in-1 Cube with MagSafe」を紹介。こちらはアンカー初のMade for MagSafe認定取得のワイヤレス充電ステーションです。約6cm四方に折りたためるコンパクト設計ながら、iPhone、Apple Watch、AirPodsを3台同時に充電可能。これがあればデスク周りがすっきりしそうですね。出張や旅行先でも重宝するでしょう。
Soundcore究極のTWSイヤホン「Soundcore Liberty 4」
Soundcoreブランドからは、プレミアムシリーズLibertyから最高傑作の完全ワイヤレス(TWS)イヤホン新製品「Soundcore Liberty 4」を紹介。「Soundcoreの叡智を全て結集し、欲しい機能が全て詰まった究極の1台」(吉野氏)とアピールしています。
2つのダイナミックドライバーを1つのモジュールに統合して同軸上に配置したAnker独自の音響構造「A.C.A.A(同軸音響構造)」は3.0に進化。サイズが異なる2つのダイナミックドライバーを採用、力強くてリッチな低音とマイルドで繊細な高音により「あらゆる音域でバランスの取れた音質を実現します」(吉野氏)。
また、Soundcoreでは初となる3Dオーディオを搭載しました。ジャイロセンサーが頭の向きを検知することで「ライブ会場や映画館のような360度の音響体験が楽しめる」とアピールします。LDAC対応によりハイレゾ音源のディテールを表現、このほか周囲の環境に合わせて強度を自動で調整するアンカー独自のウルトラノイズキャンセリング2.0も搭載したことで「より音に没入できる環境を作り出せる」といいます。
そしてヘルスモニタリング機能も初搭載しました。Soundcoreアプリ上で、心拍モニタリング、ストレスチェック、ワークアウト機能、姿勢リマインダーなどを設定できる仕様です。「音楽を楽しみながら、同時にヘルシーな生活をサポートできる便利な機能を搭載しました」(吉野氏)。
世界で初めてMade for Metaに認定された、VRヘッドマウントディスプレイ「Meta Quest 2」対応の完全ワイヤレスゲーミングイヤホン「Soundcore VR P10」も発表しました(Quest 2は別売)。
USB-Cドングル接続によりMeta Quest 2への簡単な接続と超低遅延接続を実現。「ドングルにゲーミングデバイスを接続し、Bluetoothでスマートフォンに接続することで、ゲーム音を聞きながら相手とボイスチャットを楽しむこともできます」(吉野氏)。
11mmの大型ドライバーによる臨場感ある音響に加え、Soundcoreアプリの設定で、銃声、足音などFPSゲームでは欠かせない効果音の強化が可能。「没入感を極限まで高める工夫が詰まった1台」なのだそうです。
ほかにも、快適な睡眠をサポートする完全ワイヤレスイヤホン「Soundcore Sleep A10」を発表。指先に乗るほどのサイズ、片耳約2.9gの軽さにより、睡眠を邪魔しないつけ心地と遮音性を実現しています。
雨音や鳥のさえずりなどのスリープミュージックを30種類以上搭載、周囲の気になる音を軽減することで快適な睡眠環境を整えることが可能。そして睡眠サポートイヤホンながら“通常の音楽再生”もできるため、寝る前のリラックスタイムや外出時などさまざまなシーンで使える、と説明していました。
Soundcoreアプリでは、入眠時間、起床時間、浅い眠り、深い眠りを記録できる睡眠モニタリング機能や、イヤホン内でのアラーム設定が可能。一緒に寝ている家族を起こすことなく起床できます。「Soundcoreでは今後も機能性に加え、さまざまなシーンに寄り添う製品をラインナップすることで、皆様の生活をサポートしてまいります」(吉野氏)。
自動ゴミ収集するロボット掃除機の新型機登場
掃除の負担を減らすことで、家で過ごす大切な時間を充実させたいというコンセプトを掲げるEufy Cleanブランドからは、掃除やゴミ捨ての手間を減らす機能が詰まった「Eufy Clean G40」シリーズが登場。「Eufy Clean G40+」「Eufy Clean G40 Hybrid+」ともに10月27日より予約販売を開始、一般販売は11月9日より開始します。
「Eufy Clean G40 Hybrid+」では、吸引と水拭きの両方に対応しながら、自動ゴミ収集ステーションを付属、さらにEufy初となるアレルギーケア構造を採用。3層のフィルターで埃やアレルゲンなどの微細な粒子を99.9%ブロックする国際認証を取得、室内の空気を汚さない設計を実現しています。
家族の安心と安全を見守るというコンセプトを掲げるEufy Securityからは、失くしものを防ぐ紛失防止トラッカー「Eufy Security SmartTrack Link」(2,990円)が登場。
音を鳴らして持ち物やスマホの場所を知らせる「音で探す機能」、置き忘れの際にスマホに通知してくれる「置き忘れ通知機能」、さらにはAppleの「探す」ネットワークに対応し、落し物の位置を特定できます。今冬(2022年末~2023年初頭)にはカードタイプの「Eufy Security SmartTrack Card」も発売予定です。
Nebulaモバイルプロジェクターの決定版
Android TV 11.0を搭載した世界初のモバイルレーザープロジェクター「Nebula Capsule 3 Laser」は、Nebula Capsuleシリーズならではの“持ち運びやすさ”はそのままに、レーザー光源の採用により300 ISO / ANSIルーメンの明るさを実現。「Nebulaのモバイルプロジェクターの決定版」とアピールします。
一般的なLED光源と比較して、圧倒的に明るいレーザー光源を採用。サイズはコンパクトのまま、従来機種のCapsule II比で約2倍の鮮明さを実現しています。鮮やかな色彩表現もレーザーの魅力のひとつ。レーザー光源は波長の幅が狭いので、色の再現度が高いとのこと。「従来のLED光源に比べて映像本来の色味や質感はそのままに、より美しく映し出すことができます」とのこと。
「高コントラストで色彩豊かな映像をシリーズ初となる最大120インチの大画面でお楽しみいただけます。Android TV 11を搭載したことで対応アプリは(従来の3,600から)7,200に拡大。NetflixやTVer、Amazonプライムビデオ、YouTube、ディズニープラスなど様々なアプリに対応し、これ1台で多彩なエンターテイメントをお楽しみいただけます」。
他社のモバイルバッテリーも下取り、サステナビリティの取り組み
アンカー・ジャパン 代表取締役CEOの猿渡歩氏は、同社のサステナビリティ施策について紹介しました。
たとえば、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載したポータブル電源シリーズは約6倍の長寿命のため、廃棄製品を大幅に削減できており、ソーラーパネルからの充電にも対応することで災害時にも利用可能。また、GaNPrime搭載製品では製造過程において、約30%の二酸化炭素の排出量の削減を実現しているといいます。
さらに2022年9月からは、同社のケーブル製品の外側に使用しているプラスチック素材を40%削減し、とうもろこしやサトウキビなど植物由来の成分に置き換えたケーブルを販売中。2023年春にはエコフレンドリー素材を採用した新製品も発売予定であることを紹介しました。
新たに子会社として「アンカーテック株式会社」を設立したことも発表。製品サポートを拡充し、修理センターの機能も担っていく方針です。「ロボット掃除機やプロジェクターなどを中心に、より専門的な修理オペレーションを構築することで、皆様により長く安心してお使いいただける環境を整えていきます」と猿渡氏。
これに加え、アンカージャパンの公式サイトおよび直営店にてモバイルバッテリーの下取り、買い替えサポート(第4弾)を実施します。破損品、故障品だけでなく、他社製のモバイルバッテリーも下取り対象になるとのこと。
猿渡氏は「私たちは充電のリーディングブランドとして、今後も製品やカスタマーサポートの質を高めながら、メーカーだからこそできるサステナビリティ活動に取り組んでいきたいと考えています」と話していました。