日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立)の「パワーブーストサイクロン」シリーズは、掃除能力の高さで人気のコードレスクリーナー。少し前までは本体が2kg近くあり、掃除力は高いけれど少々重いという印象でしたが、2021年モデルで標準使用時の重さを1.7kgまで軽量化しています。
そして、2022年8月中旬に発売予定のパワーブーストサイクロン新モデル「PV-BH900K」も標準の重さ1.7kgのまま、吸引力は2021年モデルよりパワーアップ(約20%)したとのこと。この新モデルをプレス向け体験会でチェックしてきました。
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日立のパワーブーストサイクロン「PV-BH900K」(写真左側)を手にしたマイナビニュース・デジタルの林編集長。向かって右側(左手)の手に持つ黒いモデルの詳細は記事後半に
1.7kgの重量はそのままに、掃除力は約20%アップ
日立によると、PV-BH900Kの特徴は強い吸引力。新モデルは従来機(PV-BH900J)と同じ1.7kgの重さながら、新開発の「パワフル3Dファンモーター」によって空気を吸い込む力を約20%向上しているそうです。このため、とくにカーペットのゴミ掃除に強いんだとか。会場ではカーペットに粉ゴミをまき、実際にPV-BH900Kで掃除をすることもできました。
【動画】豪快に粉ゴミをまき散らす現場スタッフ。実際にこんな量のゴミが家庭に落ちているとは思えませんが、大丈夫でしょうか? このあと、まいた粉を踏んで毛の奥まで粉を行き渡らせます。林編集長がカーペットのゴミをPV-BH900Kで掃除。新しいターボモードでヘッドを一往復させるだけで、かなりキレイになりました
(音声が流れます。ご注意ください)
粉ゴミをまいたカーペットの上をPV-BH900Kのターボモードで一往復させたところ、掃除の結果はかなり優秀。ヘッド際(きわ)の左右2cmほどは少し粉が残っている部分があったものの、中央付近はカーペット奥の粉もほぼ吸い取っています。
吸引力が高くなるとヘッドの動きが重くなる掃除機もありますが、PV-BH900Kは自走式ヘッドを採用しているので、軽い力で進められました。日立によると、ヘッド裏の「シンクロフラップ」がヘッドの前後移動に合わせて開閉して、ヘッド内の圧力を調整。これによって、従来モデルよりもヘッドが床に張り付きにくくなっていることも、ヘッドの動きを軽くしている理由だそうです。
【動画】シンクロフラップはヘッドと床の密着を防ぐだけでなく、ゴミ吸引の補助としても活躍。ヘッド前進時は下がっているフラップが、ヘッドを後ろに引くときには開き、後方のゴミをヘッド内に引き込みます。ヘッド後方にあるゴミを引きずることがありません
吸引力以外の変更点はちょっと地味?
コードレスクリーナーで気になるスペックの連続使用時間は、標準時で約40分(パワフル スマートヘッド使用時、ターボモード約6分、強モード約15分)。これは前モデルと同じですが、新モデルPV-BH900Kは電池の充電方式を改良し、充電時間が従来の約3.5時間から約2時間へと短くなりました。
パワーブーストサイクロンは豊富な付属品によって、家中を効率的に掃除できるのも魅力のひとつですが、付属品も従来モデルから一部変わりました。前モデルで付属していたブラシにもなるすき間ノズル「2WAYすき間ブラシ」が、用途にあわせて伸縮する「伸縮すき間用吸口」に。洗濯機と壁のすき間など、掃除しにくかった細いすき間を掃除しやすくなりました。
多機能ヘッドは、もはやパワーブーストサイクロンの定番機能?
前モデルから搭載している「ごみくっきりライト」と「からまんブラシ」も、引き続き装備しています。ごみくっきりライトは、ヘッド前面に配置した白いLEDライトと緑のLEDライト。緑の光は人間が明るく感じやすい波長を持っており、ヘッド前方のゴミを浮かび上がらせて見えやすくする効果があります。
ごみくっきりライトも体験。ライト点灯前はほとんど目に見えなかったゴミが、ライトで照らされると掃除しながらでも確認できました。
もうひとつのからまんブラシは、PV-BH900Kのヘッド内にある回転ブラシのこと。ブラシの先端をループ形状にすることで、名前の通り髪の毛などを絡まりにくくしたブラシです。
【動画】実際に30cmの糸を吸引して、ブラシに絡まらないかを確かめるデモ(音声が流れます。ご注意ください)
ほかにも、PV-BH900Kは前モデルから引き続きさまざまな便利機能を受け継いでいます。筆者が気に入っているのは、手元のトリガーを引くだけで簡単にゴミが捨てられる「ごみダッシュ」機能。犬の抜け毛が多い我が家は一回の掃除で何度もゴミを捨てるので、ワンタッチでゴミが捨てられるのはとってもありがたいのです。
環境に配慮した再生資源を活用! ツヤ消しブラックモデルがカッコイイ
さて、最初の写真で林編集長が手にしている黒い掃除機、気になっていた人はいませんか? 実はこれ、PV-BH900Kと同じ仕様の掃除機なんですが、部材の40%以上に再生プラスチックを使っているという環境配慮モデルの「PV-BH900SK」です。発売日もPV-BH900Kと同じく8月中旬の予定です。
ひと言で再生プラスチックといっても、PV-BH900SKは再生ポリプロピレンや再生ポリカーボネート、再生ABSといった複数の素材を採用。これらの素材は、強度が必要なパーツやデザインに合わせて使い分けています。
日立の掃除機には明るい色のラインナップが多いのですが、再生プラスチックは原材料の色が影響することがあるため、異物が目立たないブラック基調のカラーでまとめています。将来はPV-BH900SK自体をリサイクルすることを考えて、あえて塗装を省いたシンプルなデザインにしたそうです。
さまざまな理由からマットブラックの本体カラーになったPV-BH900SKですが、体験会場では「むしろPV-BH900SKのマットブラックがカッコイイ」という声も多く聞かれました。ただ、現在はサステナビリティの観点から再生プラスチックを採用するメーカーが増えているため、安定的な原料調達ができるかどうかが今後の課題とのこと。PV-BH900SKもこれらの理由から、少数生産でECサイトの販売からスタートします。興味がわいたらぜひチェックしてみてください。