6月29日、宮城県名取市は、定例記者会見にて、外部に個人情報データを持ち出す際は、GPS付きケースを使用すると発表。これ対して、ネットでさまざまな意見が寄せられ、注目を集めている。

  • 自治体が個人情報データの持ち出しにGPS付きケース導入、ネットでは評価が分かれる

    GPS付きケースでUSBメモリなどの物理メディアを運ぶ

この施策は、尼崎市46万人の個人情報が記録されたUSBの紛失騒動を受けて、情報管理のセキュリティ強化を図るためだそうだ。ケースはダイヤル式の暗証番号キーで守られ、内部にGPSが設置されている。その中に、大切なデータの入った物理メディアを収めるそうだ。ケースが届け先に到着後、電話で暗証番号を連絡して開錠するとのこと。また、GPSが設置されていることで、いつでもケースの場所を確認することができる。

同市は、個人情報データを移送する際、原則としてLGWAN(総合行政ネットワーク)等閉域ネットワークや専用回線を使用するようだが、業務上やむを得ず外部へ持ち出す場合は、運送業者のセキュリティサービス等の利用または、今回発表したGPS付きケースでの持ち運びを徹底し、個人情報の取り扱いに万全を期すとのことだ。

ネット上では「公表しちゃダメでしょ」「なぜ持ち運ばない方法ではなくUSBでの持ち出しにこだわる」「なんで地方自治体ってこういうダメの典型みたいなセキュリティ対策するんだろうな」「データ紛失対策は思ったよりクリエイティブだね(悪い意味で)」と今回の発表を否定する声が寄せられた。一方で、「昨今のランサムウェア案件を見るにこの案をバカにするのは私にはできない」「確実な運用として、酷いとは思えないけどな」「GPS付きケースについては、いい改善案だと思う。データは流出しやすいので全部紙にするみたいな改善案が問題」と賛成する声も寄せられた。