4月某日、レノボ・ジャパンはメディア向けにノートPC「ThinkPad」シリーズ新モデルの発表会を行いました。今年1月に行われた「CES 2022」でグローバル向けにお披露目されていた製品で、6月までに全モデルの市場投入を予定します。
ざっくり今年の新モデルについてまとめると、「第12世代Intel Coreプロセッサ」「アスペクト比16:10ディスプレイ」「4G LTE対応」「キレイな1080pのWebカメラ」などの先進デバイス・機能を、ほぼ全モデルで標準搭載するところがポイント。ハイエンドモデルだけでなく、「ThinkPad L」「ThinkaPad T」シリーズなどのメインストリームモデルにも抜かりはありません。さっそく発表会の内容から紹介しようと思います。
場所を問わず働けるノートPCを
在宅勤務制度が大きく広がってからもう2年近く経ち、ノートPCでモバイルワークをサポートするレノボの製品ラインナップも役割が明確になってきました。今回発表された新製品についてはニュース記事に譲りますが、軽量高性能、超軽量、大画面、スタンダードにざっくり分類でき、用途と予算に照らしてベストなモデルを選択できるようになっています。
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2022年投入予定の各モデルにおける位置づけ。機動力と性能で分類されています
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ThinkPadシリーズのこだわりは一貫して変わりません
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このスライドに2022年モデルの進化ポイントが詰まっています
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ハイエンドモデルだけではなく、ほぼ全モデルで16:10ディスプレイを採用する大刷新
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ThinkPad Lシリーズでは前モデル比約200gもの軽量化を達成しました
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カメラも1080p対応モデルを用意します
大まかには上述しましたが、2022年モデルが既存モデルと異なるのは“ほぼ全モデルで”大きな進化を果たした点です。Eシリーズ以外のすべてがアスペクト比16:10の縦に広いディスプレイを採用し、ワイヤレスWANで移動体通信をサポート。LシリーズやTシリーズでも軽量化を図って機動性を高め、フルHD解像度のクリアなカメラを選択できるようになりました。
また、採用するプロセッサに応じた機能を利用できる点もポイントです。最新AMD Ryzen搭載モデルでは内蔵するMicrosoft Plutonによる高いセキュリティ機能を実現し、Intelモデルでは落とし物タグ「Tile」機能に対応して紛失時のリスクを低減。Qualcomm Snapdragon 8cx搭載モデルでは、内蔵モデムでミリ波による5G通信や内蔵ISPによるカメラのオートフレーミングなども利用できます。
プロセッサを新しくしただけだったり、先進的な構成をハイエンドモデルだけに用意するのではありません。アスペクト比16:10のディスプレイやキレイなWebカメラの搭載によって、レノボの2022年モデルはほぼ全製品で使用感に影響する大きな刷新が図られたと言えるでしょう。
実機を眺めてきた。ThinkPad X1 Carbon Gen 10がほしい!
2022年モデルにおける主な進化点をご紹介できたところで、注目の14型フラッグシップモデル「ThinkPad X1 Carbon Gen 10」を取り上げて実機写真をご紹介します。
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展示されていた最新モデル「ThinkPad X1 Carbon Gen 10」
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手に持ったところ。もっと軽いThinkPad Nanoもありますが、個人的には十分すぎるほど軽く感じます
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第12世代Intel Core i7プロセッサの搭載でIntel Evo Platformに準拠
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電源ボタンには指紋認証センサーを統合してWindow Hello機能でのログインが可能
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新しくなったディスプレイ上部のカメラ部。F2.0の明るいレンズを搭載し、4つのマイクで高い集音性能を備えています
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前から見るとこんな感じで、少し外側に膨らんでいる様子がわかります。1080pになった新しいWebカメラに加え、IRセンサーを備えてWindow Helloでの顔認証をサポートします
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キーボード両サイドにはスピーカーを搭載。これは前モデル共通です
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パッケージには再生素材を採用したことで“今風”なものになりました
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外箱の手持部分も繊維素材に。前はプラスチックでした
外観面でいえば、カメラが新しくなったことでベゼル部分いっぱいに広がっている点が新要素かも。画面映りは明らかに改善されており、一昔前のガビガビでボンヤリしたWebカメラからは長足の進歩を遂げています。また、パッケージの内箱が新しくなっている点もポイント。再生素材を用いて環境に配慮したとのことで、外箱の手持ち部分にも繊維素材があしらわれていました。
おまけ レノボのARゴーグルで未来のフロントワーカーを体験
今回の発表会では、ThinkPadシリーズの新製品に加え、レノボから登場したスマートグラス「ThinkReality A3」の展示もありました。製品そのものについてはニュース記事に譲るとしまして、ここでは体験にフォーカスしてお伝えしようと思います。
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これが「ThinkReality A3」の実機、PC Editionは個人向け製品です
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こっちがIndustrial Edition。ゴーグルそのものは一緒ですが、ソリューションとしての提供なので付属品がとても豪華です
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Industrial Editionキットのサンプル。バッグに接続用のスマートフォンや防護グラスなどが収められています
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スマートフォンは「motorola edge30」を組み合わせます
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実際に装着して体験できました
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視野矯正は専用のレンズアタッチメントを用いるので、視力に問題があってもくっきりした画面で利用できます
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前面にはヘッドトラッキング用のフィッシュアイレンズを2つ搭載。見ている風景をホスト側に伝送することもできます
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コントローラーとして用いるスマホ用のUIはとてもシンプル。スマホでの操作はタップだけで、ポインティングは頭の向きで行います
VRゴーグルの体験はこれまでにもありましたが、ARゴーグルを使うのは初めて。周辺環境の視認性確保のため、没入感がほぼない点を新鮮に感じます。デモでは遠隔サポート用ツール「holo one sphere」を用い、3Dグラフィックが映し出されている様子を体験できました。これがとても高精細でびっくり。これなら作業者への正確な情報伝達が行えそうです。