富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は、13.3型有機ELディスプレイを搭載したタブレットPC「FMV LOOX」の新製品発表に伴い、東京・二子玉川にイベントを開催。イラストレーターのnajucoさんを招き、6月に発売予定のFMV LOOXを使ったライブペインティングを実施した。
富士通PC40周年を飾る新機種「FMV LOOX」
この日のイベントはFUJITSU PC 40th Anniversary記念企画として開催。会場となった「二子玉川 蔦屋家電」には、新製品の展示のほかFMVの懐かしい機種なども並び、展示に足を止める人も多かった。
イベントには、富士通クライアントコンピューティング(FCCL)の藤田博之氏、「FMV LOOXペン」を共同開発したワコムより藤巻秀樹氏も登壇し、najucoさんと対談を行った。
FMV LOOXはタブレット、ノートPC、液晶ペンタブレットと自由なスタイルで使える、40周年アニバーサリーを飾る新モデル。LOOXブランドとしては11年ぶりのリリースとなる。重さは約599g、薄さ約7.2㎜と世界最軽量、最薄を誇り(2022年3月1日現在)、メインPCに接続してデュアルPCとして、あるいはセカンドディスプレイ、さらには液晶ペンタブレットにもなるなど幅広く活用できる。
国内設計、国内製造のクラフトマンシップにこだわり、キーボードやワコムと共同開発した「FMV LOOXペン」なども、快適な操作性を徹底して追求。技術の粋を込めたモデルとなった。
藤田氏はFMV LOOXの画面サイズについて、「最近は正方形に近いものが流行っているが、今回のモデルは16:9にこだわっています。クリエイターツールはウインドウがドッと出てくるので、このほうが作業エリアを確保できると考えました」と説明。クリエイターが使いやすい道具として活用してほしいと語った。
藤巻氏は共同開発したFMV LOOXペンについて、「従来のペンに比べて重心をペン先に寄せて、シャープになっています。デジタルペンにはいろいろな部品が詰まっており、ペン先を細くするにもいろいろな新たな設計が必要です。今回はそういう部分や充電などの快適性も含めて、一番持ちやすい形状になるように設計しています」と自信をのぞかせた。
ペンタブレットなどでは、どうしても画面の表面ガラスなどとペン先の間にわずかな隙間ができる。その隙間の感覚を機器のセッティングで補うのだが、タブレットを回転させるなどして逆方向から書こうとすると、セッティングのズレから描画に違和感を覚えることも少なくない。
しかしながら、FMV LOOXとFMV LOOXペンは本体を回転させながら書いても違和感がないほど、緻密な仕上がりになっているという。まさにクリエイター向けといった印象だ。
najucoさん、FMV LOOXは「クリエイティブな作業にピッタリ」
ライブペインティングでは90分で仕上げるため、線画までは仕上げてきたというnajucoさん。今回は、長い髪を編んでいる女の子を描いた。
普段は13インチのペンタブレットを愛用しているそうで、今回のライブペインティングで使うFMV LOOXも、ほぼ同じくらいの大きさ。
そのため、「ほとんど違和感なく操作できますね。家の中でずっと作業していると、どうしても煮詰まっちゃうことがあるので、気分転換に外で簡単な作業だけをすることがあるんですが、これなら外でも普通に作業ができそうです」とコメント。快適な操作感がクリエイティブな作業にピッタリと実感していた。
独特な色彩感覚で表現された、オシャレな女の子のイラストに定評のあるnajucoさん。その色選びは、自分の感性がわくわくするようなカラーをセレクトしているという。
「自分が楽しくなるようなカワイイ色をいつも選んでいます。全体的に色のトーンを落としているので、ハイライトもいわゆる白ではなく、グレーっぽい色ですね。黄緑やピンク、紫も好きなので、目立つ色にはそういう色をよく使っています」(najucoさん)
ベースとなる薄い色から塗り進め、洋服、肌、瞳と、だんだんと色づいていき、目が離せなくなる。途中、残り時間を考えて洋服のデザインを大きなチェックに変更する場面もあった。
najucoさんは、「描いていて気分でデザインを変えていくこともしょっちゅう。全体のイメージを見て、柄や色を変えてしまうことは多いです」と話し、ササッとチェックのラインを描き進めていた。
洋服のシワの影なども、ペン運びに迷いはなく、見ていてとてもスムーズで気持ちいい。描いていて楽しい瞬間は「目のハイライト」とのこと。
「命が宿る瞬間があるんですよ。あとは肌。ベージュが好きなので、肌を塗っているときも楽しいですし、一番重要じゃないかとも思っています」(najucoさん)
髪の毛は濃い紫、マゼンタのようなビビッドなピンクが差し色となっている。編み込まれた髪に差し色や影を入れていく作業は非常に細かく、根気が必要な作業に思えるが、終盤に差し掛かっても表情を変えず、リズミカルな動きで描き進めていた。その集中力には、藤田氏や藤巻氏、会場に集まった観客も感服。描き終えた際には、大きな拍手が会場に響いた。
ライブペインティングを終えたnajucoさんは、「こういうライブペインティングはほとんどやったことが無かったんですが、リラックスしていつも通りに描くことができました。髪の毛を特徴的な色にしたので、そこをかわいく仕上げられてよかったです」と、絵の仕上がりにも満足気。
そして、FMV LOOXを使ってみた印象は「すごく操作がしやすくて、ペンタブレット専用機と変わらないくらいの書き味」だったといいます。「イラストのお仕事にもまったく問題なく使えると思います。タッチがとてもスムーズで、ペンがとても本格的。直感的に使えました」など、とても快適に使えたと語った。
また、「ペンタブレットとしてとても優秀なのに、PCとしても普通に使えるので、長期の旅行とかには絶対に持って行きたいです! 旅先でもガンガン描いていきたいですね」と、お気に入りの1台になったとも話していた。