昼夜問わずにお酒を飲んでいるが、基本的には朝方の筆者である。そのため夜半にむりやり起きてMicrosoftのイベント「Windows Powers the Future of Hybrid Work」を視聴。その後は再び床についたが、朝思い返すと思い浮かぶのは、「エクスプローラーのタブ機能が正式採用された」「相変わらずMicrosoft Endpoint Manager一推し」の2点だ。これまでのWindows系イベントと比べると、おとなしめの印象を受けた。
それでも、Windows 11に加わる機能は少なくない。Microsoft Windows EVP and CPOのPanos Panay氏はまず、腰痛を抱えながら手術を受けたがらない自身の父親に対して、脊椎手術を一新させた神経脊椎外科医を紹介し、改善に向かったというエピソードを語った。そのときPanos氏は、「将来のために変革しなければならない」「今まで築いてきたものが将来必要なものにつながるとは限らない」ことに気づいたとも。父親の状況と2025年で40周年を迎えるWindowsを照らし合わせ、「変革の扉を開けようとしている」(Panos氏)のがWindows 11であると強調した。
続いて登壇したMicrosoft GM, Microsoft 365のWangui McKelvey氏は、Windows 11の特徴として「より安全」「容易な展開と管理」「互換性」を強調しているが、オンラインキッティングや従業員に貸与したデバイス管理を求められる企業担当者ならともかく、現在Windows 10にとどまっているエンドユーザーには響かないだろう。
その後、Microsoft Endpoint Manager担当者がアプリ制御のデモンストレーションを披露。内容が目新しくないため割愛するが、注目はMicrosoft Endpoint ManagerのPremium add-onsである「Remote Help」である。我々としては「セキュアなリモートアシスタンス」と認識すると、おおよそ間違いなさそうだ。自宅勤務中にトラブルが発生した従業員を情報システム部門が遠隔支援するシナリオを想定している。
エンドユーザーとして楽しめたのは、Microsoft Principal Product Manager Lead, Carolina Hernandez氏のパートだ。ここは画面を交えて紹介したい。
筆者が予想したウィジェット拡張は見事に外してしまったが、エクスプローラーに加わる予定の改善点は日常利用に大きく影響するため、Windows 11 バージョン22H2の登場が待ち遠しい。イベントの最後にはMicrosoft Chairman and CEOのSatya Nadella氏が登壇し、Windows 365がハイブリッドワーク向けとして最適な選択肢だと強調したものの、特筆する新たな話題は語られなかった。
今回のイベントは全般的に、Panay氏が「Windows 10からWindows 11に移行するには今が絶好の機会」と何度も繰り返していたのが印象的だったと同時に、Microsoftの焦りを感じる。Windows 10はリリースから約半年後に月間稼働デバイス数が2億台を突破したと発表し、Microsoft by the Numbersによれば、Windows 10が稼働するデバイスは13億台を突破中。だが、Windows 11 PCの稼働デバイス数など公式アナウンスは筆者が知る限り行われていない。おそらくWindows 11はWindows 10の成績に追いついていないのだろう。以前の記事でも触れたようにWindows 11が本領発揮するのはバージョン22H2以降だ。