コニカミノルタプラネタリウムは3月24日、横浜市で開業した「横濱ゲートタワー」において、LEDドームシステムを採用した「コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA」をオープンしました。上映中にスマホで撮れる作品を用意し、飲食もできるという、国内でも珍しいプラネタリウムです。

  • コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA

プラネタリウムなのに撮影できるのはナゼ?

コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMAは、コニカミノルタプラネタリウムの5つ目の直営館。同社の古瀬弘康社長は「従来のプラネタリウムではタブーでしたが、上映中の映像をスマホで撮影してSNSにアップできるようにしました」とアピールしています。

  • 左奥の白い球体の建物が「コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA」。所在地は、神奈川県横浜市西区高島一丁目2番5号 横濱ゲートタワー2F。みなとみらい線 新高島駅から徒歩1分の立地にある

撮影可能な作品は、同館のオープンにあわせて封切られる『Space Voyage #ファインダー越しの私の宇宙』です。1977年に地球から打ち上げられた宇宙探査機ボイジャーの知られざるエピソードをストーリーの軸にして、”映える”宇宙の観光スポットをめぐっていく内容。上映中に何度も写真撮影タイムが設けられるなど、型破りな作品に仕上がっています。なぜ、こんなことが可能なんでしょう? 関係者に詳しい話を聞きました。

  • 『Space Voyage #ファインダー越しの私の宇宙』作品ビジュアル

「撮影を可能にした一番大きな理由は、映像システム『DYNAVISION-LED』の採用にあります。直径15mのドームに、LEDのパネルを約5,500枚敷き詰めました。一般的なプロジェクターによる投映方式のプラネタリウムでは、たとえスマホで撮影したとしても鮮やかには撮れないでしょう。でも当館では自発光するLED素子を利用することで、最大8Kの高解像度・高輝度・高色域で映像を上映できます。このため、肉眼で見たままの鮮やかさで写真に残せるわけです」(関係者)。

なお、DYNAVISION-LEDの解像度について、古瀬社長はNHKのスーパーハイビジョン(8K)2面分になると話していました。

  • 上映前の様子

  • 座席のリクライニングを倒し、色鮮やかな上映作品を撮影する来場者たち

  • 上映中の様子

ただし、録画は禁止です。全編を録画されてしまう懸念があり、作品のネタバレにもつながるからでしょう。また、デジタルカメラなど、スマホ以外での撮影も禁止されています。これについて聞くと「周りのお客さまへの配慮があります」と先の関係者。

では、スマホの明るい画面がほかの来場者の迷惑になる可能性は? これについては「ほかのお客さまのスマホの画面の明るさで星が消えることがないのがLEDドームの強みです。皆さんでお楽しみいただける環境になっています」とのことでした。

  • 上映作品のひとコマ

実はオープン初日、メディア関係者には映像を動画撮影する許可が下りましたので、ここで紹介しましょう。以下に掲載した動画(一部無音)の内容は、上映前の様子(6秒)、コニカミノルタプラネタリウムの紹介ムービー(39秒)、そして本編の一場面(11秒)です。

「コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA」のLEDドームの映像

館内の音響はDolby Atmos(5.1.2ch)対応。スピーカーは周囲に5つ(センター、レフト、ライト、後方に2つ)のほか、トップに2つ、前面にウーファーという配置で、ドームのため音の響きが良く、映像と相まって圧倒的な臨場感を生んでいました。

ちなみに、プラネタリウムのコントロール(操作卓)には、コニカミノルタプラネタリウムとグループ傘下の仏RSA Cosmosで共同開発したエンジンが使われているとのこと。

料金は、一般シートが大人1,600円(中学生以上)、こどもが1,000円(4歳以上)。ドーム前方に用意されたプレミアムシート「プラネットシート」は、1シートあたり4,200円(2人分の鑑賞料金を含む)で、小学生以上が2名まで利用できます。席数は、一般席が162席、プレミアムシートが4席。車椅子スペース4カ所も設けています。

  • ドーム前方には4席のプレミアムシート「プラネットシート」を用意。大人2名+子どもがゆったり寝転べるスペースがある

  • プラネットシートの利用イメージ

  • 館内の座席配置。上がドームの前方にあたる

館内の様子を写真で紹介

  • 併設のカフェ プラネタリア

  • カフェ プラネタリアでは、星座をモチーフにしたレモネードなどのソフトドリンク、ドーナツ、マフィン、アイスクリーム、ホットドッグ、ポップコーン、ランチボックスのほか、オリジナルビール、カクテルなどのアルコール類も提供する

  • ホワイエの様子

  • ギャラリー プラネタリアでは、星空のギフトを取り扱っている

横濱ゲートタワー「まちびらき」は3月26日まで

  • 横濱ゲートタワー

コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMAがグランドオープンしたこの日、同館では鹿島建設、住友生命保険相互、三井住友海上火災保険の3社による、みなとみらい21中央地区58街区「横濱ゲートタワー」のまちびらきセレモニーが開催されました。

オープニングセレモニーに出席した、横浜市長の山中竹春氏は「忙しい日々の合間にくつろいだひとときを過ごせる空間として、このシンボリックな球体のプラネタリウムが横浜の方々に愛される存在になると確信しています。新しく誕生した横濱ゲートタワーという空間に人々が集まり、新たな活力が生まれることを願っています」と挨拶しました。

横濱ゲートタワーでは3月26日まで、まち歩きツアーやキッズワークショップなど、さまざまなまちびらきイベントが開催されます。

  • 横濱ゲートタワーのオープニングセレモニーに出席した、コニカミノルタプラネタリウムの古瀬弘康社長(前列左)、横浜市の山中竹春市長(前列左から3人目)