レノボ傘下の米モトローラは2月24日、Androidスマートフォン「motorola edge 30 pro」を海外向けに発表した。Snapdragon 8 Gen1搭載のハイエンドモデルで、ペン入力に対応する。

北米では、同モデルを「motorola edge+(2022)」という機種名で販売する。米国では999.99ドル(約11万5000円)となっている(メモリ12GB/ストレージ512GB)。他に、ラテンアメリカ、インド、中東、アジア、ヨーロッパの一部の地域で順次発売予定としている。

日本で販売するかは、24日時点では明らかにされていないが、Motorola Japanの公式Twitterアカウントでは「続報をお待ちください」と言及している。

  • レノボ傘下の米モトローラが海外向けに発表したAndroidスマートフォン「motorola edge 30 pro」

  • 北米のみ製品名が異なる

モトローラは、性能と価格のバランスが取れた製品を得意としているが、edgeシリーズは同ブランドの中でも高性能な製品となっている。チップセットはクアルコムの最上位モデル「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載。5Gのモバイル通信やWi-Fi 6Eでの1Gbps超の高速通信をサポートする。

  • モトローラの製品では高価格帯の高性能モデルという位置づけの製品。外観も高級感がある

ディスプレイは6.7インチの有機ELディスプレイで、解像度はFHD+(2400×1080)。色再現性はDCI-P3準拠で、HDR+での表示も対応する。さらに、144Hzの可変リフレッシュレート表示をサポート。

オーディオはステレオスピーカーを内蔵。Dolby Atomosのサラウンド機能を搭載し、映画やゲームのサウンドを立体感のある音響で再生できる。

ゲームでは、クアルコムの「Snapdragon Elite Gaming」に認定されており、コマ落ちが少なく、快適にプレイできるよう設計されている。ゲームプレイ中に録画や通知オフなどを設定できるランチャー機能を搭載する。

  • クアルコムの「Snapdragon Elite Gaming」に認定され、ゲーミング用途も狙う

スマートスタイラスに対応

モトローラとしては初めて、スマートスタイラス(デジタルペン)に対応。6.7インチの大きな画面に手書きでメモを取ったり、イラストを描いたりできる。手書き入力では、4000段階の筆圧検知に対応。手書きで記入した文字をテキストに変換する機能も備えている。

  • 別売のスマートスタイラス(デジタルペン)に対応し、手書き入力が可能

スマートスタイラスは専用の手帳型ケースに装着して持ち運ぶ方式となっており、ケースからワイヤレスで充電可能。手帳型ケースは閉じた状態で通知や着信が表示できるようになっている。スマートスタイラスとケースは別売りで、販売国によってはスマホとセットで販売する場合もある。

  • 別売の手帳型ケースは、閉じた状態でも通知や着信が確認できる

背面もインカメラも高解像度

背面カメラはトリプルカメラで、50MPのメインカメラ(広角)、50MPの超広角&マクロカメラ、ポートレート撮影などでボケを追加する深度センサーという構成。標準画角でも超広角(0.5倍相当)でも同等の画質で撮影できる点を特徴としている。

  • 背面カメラは深度センサーを含むトリプルカメラとなる

Snapdragon 8 Gen 1の処理能力を生かし、動画撮影では8K解像度(24fps)や4K HDR(60/30fps)での撮影をサポート。10ビットカラーでの静止画撮影にも対応する。50メガピクセルセンサーは、すべての画素をオートフォーカスに利用できるセンサーで、4つの画素を束ねて明るく撮影する機能があり、暗い場所でも高精細な写真を撮影できる。

  • 8K画質の動画撮影機能も搭載する

マクロモードでは、被写体から2.5cmの距離までクローズアップして撮影できる。このほか、スローモーションやイン・アウト同時撮影、スポットカラーといったユニークな撮影モードを備えている。

インカメラも60MPと高解像度で、全画素でのオートフォーカスに対応。暗い部屋での自分撮り(セルフィー)も明るくぶれずに撮影できる。

パソコンやテレビと手軽に接続するReady For機能

motorola edgeシリーズのみの機能として、パソコンやテレビに手軽に接続できる「Ready For」機能を搭載する。

テレビとの接続では、有線接続(USB Type-C/DisplayPort 1.4準拠)またはワイヤレス接続(Miracast互換)で利用可能。Ready For 接続時は、スマートフォン上で仮想トラックパットや操作ボタンを表示できるほか、外付けキーボードやマウスの接続にも対応する。スマートスタイラスをレーザーポインターのように振って、画面を操作することも可能。

  • パソコンやテレビに手軽に接続できる「Ready For」機能

パソコンと接続するReady For PCは、Windows 10/11に対応する。Windows上でスマートフォンの画面を仮想デスクトップのように表示して、ファイルやクリップボードの内容をやり取りできる。また、スマホのカメラをフルHD解像度のWebカメラとして、Zoomなどのパソコン上のアプリで活用できる。

  • Windows上でスマートフォンの画面を表示し、ファイルなどのやり取りもできる

  • スマホのカメラをフルHD解像度のWebカメラとして使う機能もある

ARグラスとの接続に対応

motorola edge 30 proはモトローラのスマートフォンとして初めて、クアルコムのARプラットフォーム「Snapdragon Spaces XR Developer Platform」をサポートする製品となっている。

レノボ製の開発者向けARグラス「Lenovo ThinkReality A3」との有線接続に対応し、スマートフォン上のARコンテンツを出力できる。

  • ARグラス「Lenovo ThinkReality A3」との連携も可能

  • ARコンテンツが楽しめる

Android 12を搭載

モトローラのスマートフォンは、メーカー製アプリを最低限に抑えた、いわゆる“素のAndroid OS”に近い構成を特徴としている。motorola edge 30ではAndroid 12を搭載し、画面の配色をカスタマイズする「Material You」も統合している。

独自機能として、「端末を振ってカメラを起動する」などのジェスチャー設定に対応する。

大きさは約163.06×75.95×8.79mm、重さは約196g。耐水性はIP52相当(防じん防滴)。生体認証は右側面に指紋センサーを搭載する。バッテリー容量は4800mAh。独自規格TurboPowerによる68Wの急速充電をサポートするほか、ワイヤレス充電にも対応する。

  • ボディは防じん防滴対応

プライバシー保護機能は、Android 12の「プライバシーダッシュボード」に対応するなど強化した。セキュリティ性能では、法人向けの認証基準「Android Enterprise Recommended」を取得しており、Androidマルウェア対策やデバイスの遠隔管理などの機能を統合した業務レベルのセキュリティ保護ソリューション「ThinkSield for Mobile」も搭載している。

Snapdragon 778G Plus搭載の新機種も予告

motorola edge 30の製品発表動画では、さらなる新機種としてSnapdragon 778G Plus搭載モデルの投入も予告された。詳細はほとんど明らかにされていないが、チラ見せされたデザインは3眼カメラ搭載のedgeシリーズと思われる。2021年末に発売された「motorola edge 20」の強化版のような位置づけとなるだろう。