米DuckDuckGoが「DuckDuckGo in 2021: Building the Privacy Super App」という2021年を総括するブログ記事の中で、デスクトップブラウザの開発を進めていることを明かした。他のサービスや製品と同様、プライバシー保護にフォーカスしており、「(デスクトップブラウザの)オンラインプライバシーに対する人々の期待を一新する」としている。

DuckDuckGoが提供するモバイル向けブラウザ「DuckDuckGo Privacy Browser」は、トラッカーからの保護やプライベート検索、暗号化の利用といったプライバシー保護をデフォルト機能としているのに加えて、Fireボタンというユーザーがワンタップでタブやブラウジング・データを削除できる機能を備える。全てのデータを抹消するとよく訪れるWebサイトの利用が不便になることがあり、以前はブラウジングデータを残したくないWeb閲覧のための一時的な利用にとどまっていた。今年のアップデートで「Fireproofing」という特定のWebサイトのCookieを残せる機能が追加され、プライバシーを保護しながら日常的に利用しやすくなった。そうしたユーザー体験に配慮した製品の向上がユーザー増を後押し、DuckDuckGoアプリは主要市場において、最もダウンロードされたAndroidのブラウジングアプリになり、iOSでも2位に成長。2018年以降のアプリおよび拡張機能のダウンロード数が1億5000万件を超えた。

「プライバシーはシンプルで誰でもアクセスできるものになるべき」という製品哲学を踏まえて開発したモバイルアプリの成功を、デスクトップブラウザでパソコンにもたらす。デスクトップブラウザも"プライバシーブラウザ"ではなく、ユーザーのプライバシーを尊重し、ユーザーが"毎日使うブラウジング・アプリ"として設計しているとのこと。クリーンで分かりやすいデザイン、ユーザーがプライバシー機能について調べたり、プライバシーのレベルを設定することなく、検索、ブラウジング、メールなどあらゆる場面で強固なプライバシー保護がデフォルトで機能するようにする。ワンクリックでブラウジングデータを削除できるFireボタンも装備する。

ChromiumやFirefoxのフォークではなく、レンダリングにはOSが提供するエンジンを用いている。現在クローズドでmacOS用のベータテストを行っており、Windows版の開発も進めている。長年の機能追加で肥大化する主要ブラウザに対して、必要な機能だけをクリーンに実装したDuckDuckGoアプリは、初期のテストにおいてChromeよりも軽快に動作しているという。