バルミューダは11月19日、同社初の旗艦店となる「BALMUDA The Store Aoyama」(東京都港区南青山)をオープンしました。バルミューダ製品がずらりと並ぶだけでなく、製品の体験や購入も可能です。さっそく取材してきました。
壁にはヨーロッパから運んだヴィンテージレンガ
BALMUDA The Store Aoyamaは、東京メトロ「表参道駅」A5出口から徒歩2分の場所。近くには、プラダ、バレンシアガ、ステラマッカートニー、ミュウミュウなど一流ブランドの路面店が並ぶエリアですが、BALMUDA The Store Aoyamaは少し路地に入った閑静なエリア。全面ガラス張りの建物や2フロア構成で、店舗面積は約90坪です。
店内の入り口付近には背が低めの什器にバルミューダ製品が展示されています。右側はレンガの壁。この壁、ヨーロッパのヴィンテージレンガを輸入して仕上げたそうです。
バルミューダ 代表取締役社長の寺尾玄氏は、若い時分に南ヨーロッパを旅行し、スペインのロンダという街の景色が印象深かったといいます。レンガ造りの建物が点在し、旧市街と新市街を結ぶレンガの橋といった美しい景色をヒントに、寺尾氏自ら「BALMUDA The Store Aoyama」の内装をデザイン。
店内ではクラシックなレンガの壁が温かみのある雰囲気を演出し、レンガで作ったアーチや天井の丸みある梁(はり)が優しくたたずみます。このレンガは本物で、わざわざヴィンテージのレンガをヨーロッパから取り寄せて積み上げたそうです。
公式オンラインストアで購入できる製品を展示
BALMUDA The Store Aoyamaは2フロア構成。1階には、バルミューダの全製品カテゴリーを展示しています。LEDランタン「BALMUDA The Lantern」のクラシックレッドとネイビーブルーなど、オンラインストア限定カラーの姿も(購入も可能)。販売契約の関係で電気ケトル「BALMUDA The Pot」のスターバックス リザーブ限定モデルはありませんでしたが、スターバックスとコラボしたコーヒーメーカー「BALMUDA The Brew STARBUCKS RESERVE LIMITED EDITION」は展示されていました。2階で試飲もできます。
1階の中央に目を移すと、無垢材を重ねて作ったテーブルが。ここにはキッチン家電を中心に展示しています。店内の製品はすべてて通電しているため、実際に動かして操作感や運転音を確認できます。また、オリジナルのカレーソース「BALMUDA The Curry」や、マグカップ「BALMUDA The Mug」など家電以外のアイテムも並んでいます。
さて、店内の奥にはレジカウンターがあります。製品を購入するときの支払い方法は、現金、クレジットカード、一部の電子決済、交通系電子マネーが使えます。将来的にはQRコード決済へも対応してほしいところです。
購入した製品はラッピングもしてもらえます。11月29日からはクリスマス用のギフトシールを用意。光沢と厚みのあるラッピングペーパーはBALMUDA The Store Aoyamaのみのオリジナルで、上質で落ち着いた雰囲気を演出できるようこだわってセレクトしたそうです。
リラックスした雰囲気でトースター、コーヒーメーカー、炊飯器を体験できる
さて、1階が美術館のように開放的な空間だったのに対し、2階はシックで落ち着いた雰囲気です。カウンターやソファーを用意するほか、個室を2つ設けています。
カウンターでは、トースター「BALMUDA The Toaster」、コーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」、炊飯器「BALMUDA The Gohan」の試食体験を提供します。
BALMUDA The Toasterでは食パンかクロワッサン、コーヒーメーカーは「BALMUDA The Brew STARBUCKS RESERVE LIMITED EDITION」とレギュラーモデル「BALMUDA The Brew」で淹れたコーヒーの比較を楽しめます。「BALMUDA The Brew STARBUCKS RESERVE LIMITED EDITION」の場合は、スターバックスのコーヒー豆、レギュラーモデルは都度用意した豆を使います。
取材ではコーヒーメーカーを体験。店内にBGMがないため、柱時計のようなカチカチカチというコーヒーメーカーの動作音、お湯を注ぐ音、スチームが吹き出す音などを聞きながらコーヒーを淹れる様子を見守ります。ゆったりした雰囲気で、コーヒーメーカーの音やコーヒーの香りに包まれると、リラックスした気分になりますね。
2階の奥には2つの個室。ここでは、BALMUDA Phone(ソフトバンクモデル)の契約手続きのほか、じっくりと座りながら説明を受けたい来店者の接客を行う予定。また、来店者がカウンターで試食・試飲をしているとき、別の来店者がコードレス掃除機「BALMUDA The Cleaner」の体験をしたい場合なども個室を使うそうです。
バルミューダの体験価値を発信する場所へ
BALMUDA The Store Aoyamaのストアマネージャーを務める宮崎潤也さんに話を伺いました。
―― BALMUDA The Store Aoyamaの周辺には独特の特徴がありますよね。
宮崎さん:南青山という場所は、古い価値観を大切にしている方々と、新しい形を吹き込む感覚をお持ちの方々が行き来するバランスの良い地域です。シニア層からファミリー層まで幅広くいらっしゃいます。
―― 店舗づくりで大切にしていることは?
宮崎さん:1階は先進的な雰囲気、2階はリラックスした雰囲気を大切にしています。特に2階は座れる場所を多く用意し、空間を広く贅沢に使っています。
―― 試食や試飲は、どんなタイミングで行いますか?
宮崎さん:店内の様子を見ながらその都度行う予定です。ただ、炊飯器だけは炊き上がるまで2時間ほどかかりますので、炊飯時間が分かるよう店頭でご案内することになると思います。
―― 店舗スタッフはどのような人たちを?
宮崎さん:店舗のレギュラースタッフは販売経験のある人を中心に、12名が在籍しています。年末など忙しい時期には応援スタッフを増員する予定です。研修期間は約1カ月です。製品の特徴はもちろん、実演や試飲のときお客さまに見ていただきたいポイント、開発ストーリー、開発者の思いなどを勉強しました。
―― 来店されるお客さまにメッセージをお願いします。
宮崎さん:体験の価値を提供するバルミューダと言われていますが、なかなか実際の体験をご提供する場所と機会がありませんでした。ユーザーの皆さまがSNSなどでご自身の体験を発信され、そのおかげで価値を感じていただいている側面がありました。
今回、BALMUDA The Store Aoyamaをオープンしたことで、自宅でバルミューダ製品を使用するイメージを感じていただけるようになったと思います。ご来店をお待ちしております。
地下にはレストランをオープン!?
BALMUDA The Store Aoyamaの物件は、寺尾氏が青山エリアを散策していたときに偶然空き店舗を発見したというのだから驚きです。来年(2022年)には地下部分にレストランをオープンする計画だとか。
営業時間は平日が11時〜19時、土・日・祝日が10時〜19時。定休日は不定休です。店内にトイレはありますが、エレベーター、オムツ替えスペースなどはありません。2階への移動は階段です。