Windows 11に関して、筆者は事前にKB5006746プレビューをインストールしていたこともあって、諸処のトラブルに遭遇していない。しかし、Windows 11でIMEやSnipping Toolを起動するとエラーが発生するという。海外のSNSで話題になっていたので気にかけていたところ、Microsoftも公式にアナウンスした。

  • KB5006746プレビューを適用すると、ビルドは22000.282となる

公式アナウンスによれば、IMEおよびSnipping Toolのほか、「設定」のアカウントページとランディングページ(Windows 11 Sモードのみ)、スタートメニュー(Windows 11 Sモードのみ)、タッチキーボード、音声入力、絵文字パネル、はじめに、ヒント――と、多岐にわたる。

原因は、Microsoftデジタル証明書が2021年10月31日に期限が切れたためだ。理由自体はお粗末ながら、Microsoftが早期に原因を公表した姿勢は素直に評価したい。また、前述のKB5006746プレビューのインストールと、今後登場するKB5008295を適用することで、バグの大半は解消できる。

とはいえ、正式リリースから1カ月を数えるWindows 11は、OSとしての品質に疑問を感じる場面が多い。たとえば新規インストールした筆者の環境では、タスクバーにピン留めしたアプリのショートカットファイルを作成すると、Explorer.exeが100%再起動する。この現象はWindows 11 Insider Preview ビルド22494では確認できなかった。また、タイミングは不明なのだが、「設定」が突如落ちてしまう場面も少なくない。

バグの多いWindows 11を否定するつもりはなく、ソフトウェアにバグは付き物。過去のWindowsを振り返ってみても、リリース直後は(致命傷に至らないまでも)何らかの不具合があり、だましだまし使っていた記憶がある。Windows 10からWindows 11への過程で内部構造に関わるコードが変更されたかどうかは確認できないが、修正リストを見ると少なからず手を加えているようだ。

各種バグより気になっているのは新コンテキストメニューとタスクバー。前者は見栄えが良くてもアクセスキーが使えず、操作性が著しく低下してしまう。レジストリエントリーで元に戻すことはできるものの、今後の変化を確認できないという意味では推奨しない。後者(タスクバー)はドラッグ&ドロップなど各種機能を廃止した。つまり、長年Windowsで培ってきた操作性を捨てたわけだ。今後は何らかの改良が加わると思うが、Windows 11 Insider Previewでその気配は伺えない。

筆者も2021年内には、システム要件を満たさないPCをWindows 11にアップグレードする予定である。現段階では、実験用PCでトラブルも含めてWindows 11を楽しむならともかく、安定性が求められる仕事用PCへのインストールはしばし待つべきだ。