IDC Japanは11月2日、DX(デジタルトランスフォーメーション)動向調査の国内と世界の比較結果を発表した。これによると、世界の企業は国内企業と比較して、DXを実装しビジネス的効果を計測している段階に進んでいること、および、「カスタマーアドボカシー(顧客からの支持)」や「従業員のアドボカシー(従業員からの支持)」に対して意識が高いことが分かった。
同社がDXを実践している国内および世界の企業のマネージャー、経営者を対象に実施した調査レポートによると、DXの進捗を測るための指標(Key Performance Indicator:KPI)の比較では、世界の企業の回答率が高いことが分かった。
差のある項目としては、「標準的な指標(売上、利益、効率性、投資対効果など)(17.0ポイント差)」「カスタマーアドボカシー(13.0ポイント差)」「従業員のアドボカシー(13.3ポイント差)」が挙げられた。
世界の企業は、従業員からどれだけ支持されているのか、その支持が顧客からの支持にどのように影響しているのか、そしてそれらの支持が売上などにどのように影響しているのか、に対する意識が高いと同社は推測する。
またDX推進上の課題に関しては、国内企業における課題は「必要なテクノロジーを持った人材の不足」が42.0%で、世界の企業の22.7%と比較すると、19.3ポイントもの開きがあり突出している。
「推進するリーダーシップの不足」に関しては、国内企業は26.0%と、世界企業の8.8%と比較して課題感が強いことが分かった。世界の企業において課題認識が高く、かつ国内企業と差のある項目として「実施のための予算が不足(11.6ポイント差)」「変革に対する社内の抵抗(6.0ポイント差)」が挙げられる。
「世界の企業はリーダーシップの下にDXを実装している段階にあり、社内組織からの変革に対する抵抗や変革を実現するための予算不足に直面している状況にある」と同社は推測している。