4機種が一気にお目見えしたiPhone 13シリーズ、どれを選ぶか迷っている人も多いのでは? スマートフォンに詳しい専門家のみなさんが「今回はこの機種を買う!」と決めたiPhoneはどれなのか、どの部分に注目したのかをまとめてもらいました。今回は、Yahoo!ニュースへの的確で分かりやすいコメントで知られるITジャーナリストの山口健太さんです。

iPhone 13 Proの望遠カメラの存在に惹かれたが…

ついに登場したアップルの新型iPhone。いまiPhone 12 miniを使っている筆者が欲しいと思ったのは「iPhone 13 mini」です。しかし、この結論に至るには、ある“迷い”を断ち切る必要がありました。

iPhone 13世代の4モデルのなかで、筆者が最初に注目したのは「iPhone 13 Pro」です。前モデルではPro Maxとカメラ性能に違いがありましたが、今回はどちらも焦点距離77mmの光学3倍相当の望遠レンズを搭載。スペック表を見る限り、違いはなさそうです。

  • カメラ性能をさらに引き上げたiPhone 13 Pro/13 Pro Max。両機種でカメラ性能の差がなくなったのが、iPhone 12 Pro/12 Pro Maxからの改良点として挙げられる

スマホカメラで被写体に近づきすぎると影ができてしまうため、望遠レンズは便利な機能です。しかし、iPhone 12 miniではわずかに画質が見劣りするデジタルズームしか使えず、「iPhoneで撮れる最高の写真ではない」というストレスが蓄積していました。

今回こそiPhone 13 Proで決まり、と言いたいところですが、どうしても気になる点がありました。それは重さです。iPhone 13 Proは203gと、前モデルから8.6%も重くなり、ついに200gを超えてしまいました。この画面サイズのスマホとしては重すぎる印象です。

iPhone 12 miniの欠点だったバッテリーの持ちが改良された!

そこで無難な候補として浮上したのがiPhone 13 miniです。これまでのiPhone 12 miniは電池が減りやすく、かといってモバイルバッテリーを持ち出すとせっかくの軽さが台無しです。しかし、iPhone 13 miniではスペック上の数字が1.5時間伸びており、「あと1時間持ってほしい」場面で粘ってくれると期待できます。

  • iPhone 13 miniのバッテリー駆動は、iPhone 12 miniよりも1.5時間長くなった。リアル会場での発表イベントであれば、拍手が聞こえてきそうな場面だ

カメラについても、iPhone 13 miniはレンズの配置が変わっただけでなく、センサーサイズの大型化、センサーシフト光学式手ぶれ補正の採用、最新プロセッサー「A15 Bionic」による画像処理の向上など中身も進化しており、カメラ体験がどれだけ良くなっているか楽しみです。

ストレージは128GBを選択します。今回から64GBがなくなり、最も安価なモデルが128GBになりました。たまに短い動画を撮るくらいで、写真を整理しながら使っている筆者にとって、ストレージは64GBあれば十分です。「とにかく最強のmini」が欲しい人は512GBモデルも選べます。

最後に、いまの社会状況でiPhoneの使い勝手を大きく左右するのがApple Watchです。マスクをしながらでもFace IDのロックを解除できる機能は、一度慣れると手放せません。最新の「Apple Watch Series 7」ではなくとも、Series 3以降ならば古いモデルでもOKです。どうしてもApple Watchを付けたくない人は、指紋認証の使える「iPhone SE」を使いながら世の中の変化を待つという選択肢もありそうです。

  • Apple Watchを装着していれば、マスクをしていてもFace IDのロック解除が可能になる。一度これに慣れるとApple Watchなしの生活には戻れない、と語るユーザーは多い