かねてから噂が出ていた「Pixel 5a (5G)」が、Googleから8月18日に正式発表されました。
米国と日本の2カ国でのみ販売され、日本ではGoogle直販のほか、ソフトバンクからの発売も予定されています。直販価格は51,700円(同時発売する純正ケースは3,630円)。
「Pixel 5a (5G)」はGoogle製スマホ「Pixel」のなかでも普及帯向けとなる「Pixel A」シリーズの新製品です。位置付けとしては上位シリーズ「Pixel 5」の普及版ですが、プロセッサやメモリ、ストレージなど主な仕様は前モデルにあたる「Pixel 4a (5G)」を踏襲しており、加えて大きく3つの進化点が挙げられます。
進化点その1:価格
1つめは価格。先に書いたように、「Pixel 5a (5G)」のGoogleストア価格は51,700円ですが、「Pixel 4a (5G)」は60,500円と、新モデルのほうが8,800円安くなりました。
進化点その2:IP67の防塵防水
2つめはIP67の防塵防水に準拠したことです。「Pixel 5」など上位シリーズではこれまでも防塵防水仕様でしたが、「Google Pixel 4a (5G)」をはじめとするAシリーズでは、明確な防塵防水はうたわれていませんでした。
進化点その3:シリーズ最大のバッテリー容量
3つめはバッテリーの増量です。「Pixel 4a (5G)」では3,885mAhだったバッテリー容量が、「Pixel 5a (5G)」では4,680mAhとPixelシリーズ最大の容量にアップしました。このため重さも15g重くなった183gとなっています(「Pixel 4a (5G)」では168g)。
スペック上ではどのような違いがあるのでしょうか。「Pixel 5a (5G)」と「Pixel 4a (5G)」、そして「Pixel 5」の主な仕様をまとめました(表の右端は横スクロールで表示されます)。
Pixel 5a (5G) | Pixel 4a (5G) | Pixel 5 | |
OS | Android 11 | ||
---|---|---|---|
画面サイズ | 6.34インチ OLED(1,080×2,400ドット) | 6.24インチ OLED(1,080×2,340ドット) | 6.0インチ OLED(1,080×2,340ドット) |
プロセッサ | Snapdragon 765G | ||
メモリ+ストレージ | 6GB+128GB | 8GB+128GB | |
背面カメラ | 12.2MP(デュアルピクセル)+16MP(超広角) | ||
前面カメラ | 8MP | ||
USBインタフェース | USB Type-C 3.1 Gen 1 | ||
ネットワーク | 5G Sub-6 | ||
SIM | nanoSIM×1、eSIM | ||
Wi-Fi | Wi-Fi 5(IEEE802.11a/b/g/n/ac) | ||
Bluetooth | 5.0+LE | ||
NFC/FeliCa | ○ | ||
防塵防水 | IP67 | ― | IP68 |
ワイヤレス充電 | ― | ― | ○ |
バッテリー容量 | 4,680mAh | 3,885mAh | 4,080mAh |
本体サイズ | W73.2×D8.8×H156.2mm | W74×D8.2×H153.9mm | W70.4×D8.0mm×H144.7mm |
重さ | 183g | 168g | 151g |
価格 | 51,700円 | 60,500円 | 74,800円 |
本体は前モデルとほぼ同じサイズ感ですが、わずかに縦が長くなりました。実際に握ってみると高さの違いが目立ち、より持ちやすく見やすくなった印象です。本体の幅も若干スリム化しているため、本体カバーの流用などはできません。こちらも実際試してみましたが、横幅は入ったものの高さが足りず装着できませんでした。
また、素材も変わりました。前モデルがポリカーボネート製ユニボディのところ、「Pixel 5a (5G)」は金属製ユニボディへ。質感はこれまでと近くなめらかな触り心地ですが、指紋が前より目立つのがちょっと残念。できれば純正カバーとセットで使いたいところです。なお、本体カラーはMostly Blackという名前で、やや緑がかったブラック。屋外で見るとモスグリーンのような黒でした。
本体のボタン配置、インタフェースはPixel 4a (5G)と同じです。上側面に3.5ミリイヤホンジャック、右側面に電源ボタンと音量調整ボタン、左側面にSIMカードスロット。背面には指紋センサーとNFC/FeliCa、デュアルカメラを備え、下部にはUSB-Type-Cポートとスピーカーが用意されています。
5G通信は、これまで国内向けに発売された5G対応Pixelシリーズと同じく、Sub 6のみサポート。物理SIMカードはnanoSIMスロットを1基に加えてeSIMも設定できる、デュアルSIM対応となっています。
防水性能を備え、わずか15gの重量増でバッテリー容量が795mAh増加した「Pixel 5a (5G)」は、より日常使いしやすくなった新モデルです。
現行のAシリーズは「Pixel 4a」「Pixel 4a (5G)」「Pixel 5a (5G)」の3製品ですが、このうちPixel 4aは、価格こそ42,900円からと安いものの5Gは非対応。また、「Pixel 4a (5G)」とはほぼ同等のスペックで価格が8,800円安く、プロセッサはPixel 5と同じため、Aシリーズのなかで選ぶとすれば間違いなく買いの製品でしょう。近々発表されるであろう、フラッグシップ機「Pixel 6」との棲み分けにも注目したいところです。