ソニーの新スマートフォン「Xperia」シリーズの最新モデル「Xperia 1 III」が、キャリア各社から7月9日に発売されます(ドコモ、au、ソフトバンク。価格帯は154,400円~188,640円と、キャリアによって異なります)。
見た目は従来のXperia 1 IIと似ていますが、中身は順当なバージョンアップを果たしたXperia 1 III。フラッグシップ機を彩る機能の数々を実機でチェックしていきましょう。
縦長で持ちやすいボディは健在
Xperia 1 IIIは、従来通り21:9の縦長ディスプレイを搭載したハイエンドスマートフォン。ディスプレイは4K HDRに対応してリフレッシュレートは120Hzと、隙のないスペックです。
ゲーミングスマートフォンとまでは行きませんが、通常の利用ではまったく困ることはありません。スクロールも遅延が少なく見やすい表示で、美しい描写は写真や動画の視聴でも快適です。
2画面が便利な21:9ディスプレイ
HDR、BT.2020、10bit入力対応と表示品質は高く、ソニーのマスターモニターで培った技術を投入したという「クリエーターモード」は、制作者が意図した色調を忠実に再現する、としています。アプリごとに自動で切り替えてくれるので、動画や写真の閲覧時に威力を発揮します。
21:9というのは、ほかのスマートフォンに慣れているとちょっとビックリするぐらいの縦長ですが、2つのアプリを同時に起動するマルチウィンドウ機能を使っても画面が狭くなりすぎないというメリットがあります。
横画面のYouTubeと縦長のSNSを並べると収まりが良く、縦長ディスプレイを活用できます。
物理的なシャッターボタンを搭載
本体サイズは約71(W)×165(H)×8.2(D)mm、重さは約188g。6.5インチのディスプレイサイズに対して細身で持ちやすく、使い勝手のよいデザインです。基本的には直線を生かしたデザインは従来通りで、スタイルがいいスマートフォンというイメージです。
一方の側面にはボタン類を配置。ボリュームキー、指紋センサー一体型電源ボタン、Googleアシストボタン、シャッターボタンが並びます。シャッターボタンがハードウェアキーとして用意されているのはXperiaならでは。長押しでカメラが起動するので、撮影がしやすく快適です。
指紋センサー一体型電源ボタンも好印象。Xperiaとしては伝統的ですが、画面内指紋センサーが一般的となった今としては数少ないタイプの指紋センサーです。
側面の指紋センサーは個人的には使いやすく感じました。スマートフォンを持つ自然な指の位置でロック解除できますが、複数の指の指紋を登録しないと使いにくいので、登録の手間は惜しまないようにしましょう。
問題はGoogleアシスタントボタンです。他社はボタンの一部にGoogleアシストの起動機能を割り当てられるものもありますが、わざわざ独立のボタンを用意しているのは珍しい。かといって、褒められたものではないというのが正直な感想です。
Google側の制約と考えられますが、カスタマイズもできないボタンなので無用の長物ですし、頻繁に使うことのない自分にはマイナスポイントです。
操作面では、サイドセンス機能を搭載。画面の隅にバーが表示されており、ダブルタップするとアプリのショートカットが表示されるというものです。
Xperia 1 IIでは本体側面をダブルタップするなどしていましたが、Xperia 1 IIIでは、Xperia 5 IIなどと同様、画面端に表示されるサイドセンスバーをダブルタップするようになっています。こちらの方がより簡単に起動できるので使いやすくなりました。
トータルでは、持ちやすくそれでいて大画面。マルチウィンドウ機能やサイドセンスも良好。最近のXperiaシリーズのユーザーであれば迷うことなく使えるでしょうし、初めてのユーザーでも奇をてらったところがない分、扱いやすいでしょう。