米Microsoftは6月10日(現地時間)、月額制サブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」のサービス拡大を発表した。昨年欧米で開始したクラウドゲーミングをWebブラウザやコネクテッドTV(スマートTV)でも利用できるようにし、2021年内に日本でも開始する。

Xbox Game Passでは、100を超えるゲームを自由に遊べ、メンバー限定の割引きやセールを利用できる。日本でも2020年4月に提供が始まっており、「PC」用、「コンソール」用がそれぞれ月額850円。PCとコンシューマゲーム機向けの両方のゲームを遊べて「Xbox Live Gold」を含む「Ultimate」が月額1,100円となっている。Microsoftによると、非メンバーに比べてXbox Game Passのメンバーは40%多くのゲームをプレイし、90%以上が従来の遊び方ではプレイしていなかったであろうゲームをプレイしたと答えている。

サブスクリプション形式のXbox Game Passが利用者の新しいゲームの発見につながっており、今回発表した拡充ではクラウドゲーミングを強化することでゲームを楽しむ機会をより多くの人にもたらす。

クラウドゲーミングは、Microsoftが「Project xCloud」と呼んで開発していたサービスで、ゲームをクラウド側で処理して端末にストリーミングする。専用のゲーム機やゲームをインストールしたPCを使わずにXboxのゲームを遊べる。昨年9月に北米や欧州など22カ国で、Xbox Game Pass Ultimateに含まれるサービスとしてベータ提供を開始した。

現在、クラウドゲーミングの利用はAndroidスマートフォンまたはAndroidタブレットに限られているが、数週間以内にMicrosoft Edge、Chrome、SafariといったWebブラウザでも利用できるようになる。今年春から行っている限定ベータではiPhoneやiPadでのプレイが含まれており、Web版の登場でPC、タブレット、スマートフォンで幅広く楽しめるようになると期待できる。また、今年後半にPC用のXboxアプリから直接クラウドゲーミングを利用できるようにする。コンシューマゲーム機でのゲーム体験をよりPCに統合するものになるとのこと。

ほかにも、Xboxの体験をコネクテッドTVで楽しめるように家電メーカーとの開発を進めているという。実現すれば、Xboxを持っていなくても、対応するゲームコントローラがあれば、クラウドゲーミングを使ってテレビでXboxゲームをプレイできるようになる。さらに、インターネット機能を持たないテレビやモニターでも同様のXbox体験を楽しめるように、クラウドゲーミング用のストリーミングデバイスを用意する。

2021年内にクラウドゲーミングの提供を拡大するのは、日本、オーストラリア、ブラジル、メキシコの4カ国。クラウドゲーミング対応によって、日本でもコネクテッドTV対応やストリーミングデバイスの発売が実現しそうだ。