ソニーは、環境に配慮したサステナブルな紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」を開発。完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」のパッケージで採用し、今後も商品のパッケージへの使用を進めていく。
ソニーが開発したオリジナルブレンドマテリアルは、耐久性や強度の高いリサイクル可能な紙素材。産地を特定した竹やさとうきび、市場回収したリサイクルペーパーを原料としており、プラスチックは一切使っていない。
6月25日に発売予定のWF-1000XM4のパッケージでは、素材の持ち味であるさまざまな色合いを生かすために無着色で使用。全体にオリジナルブレンドマテリアルを採用し、分別することなくそのままリサイクルに出せる。エンボス加工が可能で、インクを使わずに文字を入れることもでき、さらなる環境への配慮を可能にした。
WF-1000XM4は、従来機種よりも小型軽量化した完全ワイヤレスイヤホン。ノイズキャンセリング性能や通話・スマート機能を強化し、ワイヤレスでハイレゾ相当の高音質も楽しめるLDACコーデックに対応しているのが特徴だ。イヤホン本体はIPX4相当の防滴性能を備える。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は33,000円前後。実機のファーストインプレッションはこちら。
【訂正】初出時、「パッケージ体積は従来のWF-1000XM3よりも34%コンパクト」としていましたが、正しくは「66%」でした。そのため、一部記述を訂正しました(6月11日 21:00) |
オリジナルブレンドマテリアルの素材について
ソニーは、オリジナルブレンドマテリアルの成り立ちも発信することで、環境への取り組みについてユーザーとともに考えていくきっかけにすることを目指す。
竹は、さとうきびと同様に短期間で成長する。必要な分を選定して伐採し、竹山全体を持続可能な育成サイクルにすることで、自然への影響を軽減する。オリジナルブレンドマテリアルで採用する竹は、中国・貴州の3つの山で栽培しているものに限定。山に生息するパンダの餌となる竹とは異なる種類だという。
さとうきびは、砂糖を生成する過程で残る搾りかすを使う。通常、さとうきびの搾りかすの多くは発電燃料として燃やされ、二酸化炭素排出の原因となっているが、オリジナルブレンドマテリアルに採用することでリサイクル可能な循環型資源として活用できるという。タイ・ナコーンサワン半径100km圏内の畑で栽培された、さとうきびの搾りかすに限定している。
オリジナルブレンドマテリアルには、この素材を使ったパッケージの生産地で市場回収したリサイクルペーパーも使用。リサイクルペーパーと、竹やさとうきびを組み合わせることで強度をもたせている。着色はせず、リサイクルペーパーの素材を生かしたユニークな風合いを提供するという。
竹、さとうきび、市場回収リサイクルペーパーを配合したオリジナルブレンドマテリアルは、ブレンドの比率を変えることでさまざまな形状にできるため、活用の幅を広げられるとする。
ソニーは、環境中期目標「Green Management 2025」で設定している「新たに設計する小型製品のプラスチック包装材全廃」に向けて、オリジナルブレンドマテリアルの使用などにより、プラスチックを廃したパッケージを推進していく。