アイロボットジャパンは6月8日、同社のプログラミング用ロボット「Root」の新モデル「Root rt0」(以下、rt0)を発表しました。最大の特徴は価格。従来の「Root rt1」(以下、rt1)から一部の機能やセンサーを省くことで、5,000円安い24,800円になりました。

  • 今回発表されたRootの新モデル「Root rt0」。従来モデルから一部の機能を省いて価格を下げたモデルです

  • Rootについて説明するアイロボットジャパン Rootプロジェクトの村田佳代氏

教育現場での「一人一台」に対応した廉価モデル

「Root」(モデルrt1)は、アイロボットが2021年2月に発売した子ども向けのプログラミングロボット。スマートフォンやタブレットでプログラミングして、コード(プログラム)を本体に送信することで、床やホワイトボード上を移動したり、さまざまな色で光ったり、音楽を鳴らしたり、本体中央にペンを挿しこんでお絵描きができたり。小さなボディながら、多くの動きに対応しています。

現在、このRootは全国の小学校やプログラミングスクールで利用されており、2021年5月末の時点で34都道府県の小学校に導入済み。ただし、現場の声からは「生徒ひとりに1台利用してもらうのにはコスト面で難しい」という声もあるといいます。そこで開発されたのが、Rootの新しいラインナップとなるrt0です。

  • Root rt0

従来モデルのrt1は、本体天面がホワイトボードのような素材。ペンで顔を描いたりできました。今回のrt0は天面部がスケルトンになり、描きこみはできません。本体裏面のマグネットを省いたため、磁石がくっつく板を垂直に移動する動作も非対応です。このほか、イレイサー(消しゴム機能)、カラーセンサー、段差センサーもなくなり、そのぶん5,000円安くなりました。

ちなみに、Root本体にコードを送るには、専用の無料プログラミングアプリを使います。従来モデルのrt1と今回のrt0、どちらもプログラミングアプリは同じです。ただし、アプリを動かすタブレットやパソコンとrt0を連携すると、アプリ画面にはイレイサーやカラーセンサーといった機能は表示されません(rt1を連携すると、rt1で使える機能がすべて表示されます)。

  • Root rt0の本体上部。スケルトンになり、ペンで落書きできなくなりました

  • Root rt0の本体裏面。カラーセンサーやイレイサーがなくなり、rt1よりもスッキリした配置に

アイロボットの村田氏は「先生はマグネット付きのrt1をホワイトボードに貼り付けて動かし、生徒は机の上でrt0を使ってプログラミングをする」という使い方が想定できるとしました。

Root専用のアクセサリーも同時に発表

rt0の発表とともに、rt1とrt0の両モデルに対応するアクセサリーも発表されました。新しいアクセサリーは3種類。

ひとつはRootの本体上部にセットする「Root Brick Top」です。Root Brick TopをRootにセットすれば、レゴのようなブロックおもちゃでRootを飾れるように。自分だけの3Dロボットを作り出せます。見た目がかわいくなるだけではなく、複数台を使用した授業では、自分のロボットがどれなのか分かりやすくなるでしょう。Root Brick Topは7月8日発売予定で、価格は1,980円です。

  • ブロックトイをRoot天面にセットできるRoot Brick Top。自宅にあるブロックトイでRootをキャラクター化すると楽しそう

もうひとつは「Rootキャリーバッグ」。Rootには専用ペンやシートなどさまざまな付属品がありますが、本体とこれらの付属品をすっきり収納できる専用バッグです。このキャリーバッグは小学校の教員からのリクエストによって、日本で開発された製品とのこと。2021年夏の発売予定で価格は6,980円です。

  • Root本体に加えて、付属品もすべて収納できる専用キャリーバッグ

最後は、専用ペンや折りたたみ式ホワイトボード、本体をデコレーションするシールなどをセットにした「交換パーツキット」。こちらは7月8日発売で、価格は3,480円です。

  • 専用ペンなどのパーツをセットにした交換パーツキット

教育現場からの声によると、Rootはアイロボットのロボット掃除機「ルンバ」に似た見た目であることから、子どもたちが親しみを持ちやすく、動きを想像しやすいというメリットもあるんだとか。発表会に登壇した村田氏は、子どもたちにはRootでエンジニアリングの基本に興味を持ってもらい、将来はアイロボットでともにロボットを開発してもらいたいと語りました。