「PCゲームの金字塔といえば?」と聞けば、誰もがトップ10に入れるであろう超有名ゲーム「マインクラフト」。ブロックで表現される独自の世界観と、自由度が高いオープンワールドであらゆる楽しみ方を可能にしてくれる名作中の名作だ。

そのマインクラフトが実は学びにとても役に立つのはご存じだろうか? 実際に小さなお子さんをお持ちで、なおかつマイクラの世界では超有名なプロクラフターでもあるタツナミシュウイチさんにその理由を伺ったので紹介しよう。

かぞくら! 番外編

今回のインタビューにあわせて、タツナミさんがスペシャル動画を作ってくれた。記事とあわせてどうぞ!

【スペシャル動画】タツナミさんが、本企画に合わせてレビュー動画を作ってくれたぞ! E10のことやマイクラの楽しさや学びがぎゅっと詰まった力作なので要チェックだ!!

マイクラには学びの要素がぎっしり!

タツナミさんといえば、マインクラフト(以降、マイクラ)の世界に超精密な建造物を作るプロクラフターとして有名で、テレビに取り上げられることもあるほどの実力の持ち主。そんなタツナミさんが実際に体験中なのが、子どもと一緒に学びながら楽しむマイクラなのだ。

-- タツナミさんもお子さんがいらっしゃるそうですが、マインクラフトは教材としても使えるというのは本当ですか?

もちろんです。そもそもマイクラ自体がブロック遊びに通じてますよね。ぼくも子どもの頃大好きで近所の材木屋さんにいって端材をもらって、どう組み合わせたら何が作れる? なんて試行錯誤するタイプでした。実際にブロック遊びは子どものクリエイティビティに良い影響があるとされているので、それをデジタルの世界で体験できるのは大きな魅力です。

-- なるほど、そういわれると確かにうなずけますね。ほかにはどんな学びがあるのでしょう?

マイクラにはマルチプレイで遊べるという大きな特長があって、一つの世界の中で友達や家族と創作することができるので、共同で何かを成し遂げるという経験をすることができます。また、上達してくればそこへ、回路というものも入ってくる。レッドストーン回路はマイクラの世界の論理回路なので、機械の初歩的な構造を知ることもできます。いま教育に求められている論理的思考を養う入口にも最適なのです。

この他、世界共通の仕様としてコマンド入力によって機能を使うこともできます。マイクラの「コマンド」では、「Give」「Test For」「Summon」といった基礎的な英語に触れながら楽しむこともできますからね。

ただ遊ぶだけではダメ!

-- マイクラが教材としても適していることは分かりました。では子どもにマイクラを遊ばせているだけでも良いのでしょうか?

子どもはマイクラが大好きなので、ちょっと遊び方を教えればすぐに夢中になります。しかし、そこで気を付けないといけないのは、ただ遊んでいるだけでは学びにはなかなかつながらないということです。

ご両親はもちろん、近くにいる大人や先生なども、子どもの好奇心をうまく刺激して外の世界と繋げてあげることが大切だと思います。

-- 具体的にどのようにしていけばうまく導いてあげられますか?

最初はサバイバルモードで親が一緒に遊んであげるのがよいですね。土を掘って、木材や石を手に入れて安全な家を作る。動物や魚を捕まえて食べる、小麦を育ててパンを作る。これを実際の生活と結びつけて教えれば、それだけでも多くの学びを得られます。

そして寝る前に「ゾンビが来て強かったし怖かったね。彼らが入ってこれないように塀で家を囲ってみようか」などと会話をすれば、子どもは楽しくなってもっとマイクラが好きになってくれます。サバイバルモードの敵が強すぎると感じたらイージーモードにすればよいですし、本当に怖がるようならしばらくはピースモードにしてもよいでしょうね。

どんなパソコンがあればいいの?

-- マイクラにはどんなPCが最適ですか?

昔のマイクラはハイスペックでなくても遊べる軽いゲームでしたが、最近はグラフィックスに凝ったアドオンがあったり、新しいGPU技術であるリアルタイムレイトレーシングを使ったりすると、やはりそれなりに処理が重くなってきているので、そこそこのスペックを必要とします。ただ、今回お話になっているような、子供が初めてマイクラで遊ぶ、導入編的な遊び方であれば、さほどスペックは選びません。

-- 今回、マインクラフトと学びというテーマなので、マウスコンピューターの協力で「スタディパソコン」というものを用意してもらいました。これはおあつらえ向きにマインクラフトがバンドルされていますし、すぐに遊べるようになっているのですが、使ってみていかがでしたか?

スペック的なことをいえば、初級から中級クラスまではまったく問題ないと思います。それに子どもたちが最初にパソコンに触れやすいサイズ感や、あとは頑丈さなどがとても良いと感じました。

例えば、いまの子どもはスマートフォンやポケットタイプのゲーム機に触れながら育つ世代ですが、その延長線上で扱える形状ですし、また、それらに比べて10.1型ディスプレイはとても広く感じるはずです。さすがに幼少期の頃はキーボード操作は難しいですから、最初はキーボードを外してタブレットPCとして操作すれば、まさにスマホ感覚でゲームを楽しむことができます。

ただ、将来的にプログラミングやコマンドに興味が出てきたときに、キーボードとマウスは必須になります。そうなったらキーボードをセットしなおせばすぐにステップアップできるのはとても魅力的ですね。

-- 先ほどサイズ感と、堅牢性についても触れていただきましたが、やっぱり子どもだと落としたりしますよね?

それはもう、大人が思っている以上にモノを落としますし、投げますね(笑)。親はそのたびにパニックになりますから、パソコンでも同じことが起こります(笑)。これはお子さまをお持ちの方ならみなさんご存じと思いますが、そういう意味では落下の衝撃に強いのは本当にうれしい。大きさも手ごろですし、持ちやすい取っ手もついています。軽すぎないところも子どもに扱わせるには良い部分だと思います。

-- マイクラPC、何歳ぐらいの子どもから使えそうですか?

私のところでは、幼稚園の年少になる上の子に、実は既にこのmouse E10を与えています。ですが、もっと小さい未就学児の段階からでもよいのではないですかね。私のYoutubeチャンネルでは、実際に子どもと一緒にマイクラを楽しむ動画をアップしてあるのですが、楽しそうにプレイしています。よかったら見てみてください。単純に「釣り」をするだけなのですが、画面の中の自分が左クリックを押すたびに反応するのがうれしいみたいですね。ですから、下の子どもも年少になるころ、もう一台mouse E10を買って与えてもいいかなと思っています。

  • E10は親子で楽しむマイクラにかなり適した仕様のようだ

さらなるワンステップを踏み出すには

-- 小さなお子さんから、小学校、中学生になるともう「回路」とか作り出しますよね。

おっしゃる通りです。建築でも回路でも大人顔負けの作品を作る子どもがたくさんいますからね。例えば、建築に興味がありそうなら、実際に世界の有名な建物や遺跡などを一緒に見るとよいと思います。建築だけじゃなく、周りの地理や歴史なども同時に学ばせれば、単純にマイクラで再現する以上の学びになりますからね。

また、回路をやるのであれば、きちんとフローチャートを作ってどうやればうまく動くかを紙に書いてアウトプットすることも大事です。設計して、実装して、テストして、不具合をチェックする。不具合があればバグフィックスするという一連の流れはまさに論理的思考ですし、それを効率化、簡略化して作品に仕上げていく。これはまさにアプリケーション制作と変わらないですよね。

これを友達とチームでやるようになれば、タスク管理をしてプロジェクトを動かさないといけない。マインクラフトカップではタスク管理アプリを使って情報共有して作品を仕上げたという子どもたちのチームがいましたが、これはもう大人とやっていることが変わらないぐらいです(笑)。

こうした経験は、マインクラフトを楽しみたい、遊びたいという気持ちから始まってはいますが、ある意味、下手な社会見学をするよりもよっぽど社会経験に近いものを積んでくれることになります。マインクラフトを通じて論理的思考、知識、技術が体得できる、そんなプラットフォームになりえるのだと思います。

  • タツナミさんといえば、この壮大なクラフトワールドが有名。師曰く「図書館から3面図を借りてきて、それをスキャナーで読み取って画像編集ソフトで1ピクセル1メートルに変換する。すると1ドットが1ブロックになるので、簡単に基礎となる部分のサイズが計算できます。あとは写真を見ながら積み上げるだけですよ。あははは」とのこと。さぁ、コツを教えてもらったのであとは実践だ!

-- ありがとうございました。

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マインクラフトを通じて様々な場面で学びを得られることがみなさんにも伝わったと思う。タツナミさんが実践しているように、子どもたちの創造力を刺激しながら一緒に楽しむことからはじめてみてはいかがだろう? 「小さい子どもにパソコンはちょっと…」と思っているのであれば、今回触れたmouse E10のような、丈夫なスタディパソコンを検討してみるといいだろう。まずは身構えるよりも気軽に一歩踏み出して、世代差なく楽しめるデジタルの世界で子どもと一緒に過ごしてみてはいかがだろう。