◆PCMark10 v2.1.2508(グラフ90~95)

PCMark10 v2.1.2508
UL Benchmarks
https://benchmarks.ul.com/pcmark10

3Dゲームは以上で終わりだが、2D周りで問題が無い事を一応確認しておく。ということでPCMark 10を。

  • グラフ90

  • グラフ91

  • グラフ92

  • グラフ93

  • グラフ94

  • グラフ95

Overall(グラフ90)で見ると、PCMark10 Extended以外はほぼ差が無い。何が要因か? というとグラフ91にあるようにGaming(3DMark Firestrike)の結果がPCMark10 Extendedのみ反映されるからで、逆に言えばそれ以外に差は無いと言える。実際Essentials(グラフ92)、Productivity(グラフ93)はほぼ同等である。なぜかSpreadsheetsでGeForce RTX 3070が最高速だが、これはOpenCLを利用する関係である。もっとも逆にDigital Contents Creation(グラフ94)のPhoto EditingとかRendering & VisualizationではGeForce RTX 3070が一番遅い(これらもOpenCLを使うテストが混在している)あたりは、多少癖がありそうではある。ただOpenCLを利用しないアプリケーションテスト(グラフ95)は見事に同じスコアになっているあたり、普通の使い方では差がないとして良いと思う。

◆TMPGEnc Video Mastering Works 7 V7.0.21.23(グラフ96)

TMPGEnc Video Mastering Works 7 V7.0.21.23
ペガシス
http://tmpgenc.pegasys-inc.com/ja/product/tvmw7.html

  • グラフ96

次に、いつものように内蔵エンコーダの性能を。4K VP9のソースをTMPGEnc Video Mastering Works 7を使って4K H.265に変換する速度を計測したものだが、御覧の通り大きな差は無い。何故かここでも微妙にGeForce RTX 3070が高速だが、このあたり実はGA102とGA104で差があるのだろうか? ただ大きな違いとは言えないし、また同時にハンドリングできるのは2ストリームまでという制限にも差は無かった。

◆消費電力(グラフ97~102)

最後に消費電力を。今回は3DMark FireStrike Demo(グラフ97)、Dirt 5 2K(グラフ98)、FFXV Offical Benchmark 2K(グラフ99)、Metro Exodus Enhanced Edition 2K(グラフ100)、Shadow of the Tomb Raider 2K(グラフ101)をそれぞれ実施時の消費電力変動をサンプリング、その平均値をグラフ102にまとめた。

  • グラフ97

  • グラフ98

  • グラフ99

  • グラフ100

  • グラフ101

  • グラフ102

まぁ当然といえば当然だが、GeForce RTX 3080 Tiは性能を引き上げた分、消費電力もきっちり増えている。本稿冒頭の表2にも示したようにGeForce RTX 3080よりもTGPが30W増えているが、実際GeForce RTX 3080とGeForce RTX 3080 Tiの平均実効消費電力差を求めると

3DMark FireStrike 31.2W
Dirt 5 30.6W
FFXV 23.0W
Metro Exodus 4.4W
Tomb Raider 28.3W

ということで、Metro Exodus Enhanced Editionを除くと概ね実効消費電力は30W前後引きあがっており、まぁほぼGeForce RTX 3090並としてよいだろう。購入する場合、今のうちに夏場に備えての冷却対策をしておくのが無難かと思う。

考察

ということで駆け足でGeForce RTX 3080 Tiの性能をお届けした。性能は御覧の通り申し分ない。GeForce RTX 3080に物足りなさを感じていた方には本当に申し分のない性能だと思う。2Kではやや負荷不足であり、4Kを常用したいが、GeForce RTX 3090はちょっと手が出ない、というやや狭いユーザーがターゲットとなるが、もともとTiシリーズはそういう位置づけの製品なので、その意味では正しくターゲットに合致した性能を期待できるとして良いだろう。

問題は価格と入手性だ。参考価格で$1199、というのはGeForce RTX 3090の$1499よりは入手性が改善したとは言えるが、ちょっと敷居が高い。特にGeForce RTX 3080が(実売価格はともかく)定価で$699だったことを考えると、かなりお高い事になる。国内での価格は、ビデオカードの価格の高騰が相変わらず続いている事を考えると、相当高く設定しないといけない事になる。勿論いきなりGeForce RTX 3080 Tiがすべての販売店にウン千枚入荷するような事もあれば高騰は落ち着きそうだが、流石にこれは考えにくい。結果としてGeForce RTX 3090と大差ない価格に落ち着きそうな予感がする。

そういう意味では$599と発表されたGeForce RTX 3070 Tiの方がもう少しユーザーフレンドリーなポジションに落ち着くかもしれないが、こちらの性能はまだ詳細が不明なままである。こちらの詳細も発売日の6月10日までには明らかになる事を期待したい。