OPPO(オッポ)ブランドを展開するオウガ・ジャパンは5月25日、5G対応の新モデル「OPPO Reno5 A」(以下、Reno5 A)を改めて発表した。Reno5 Aは、5月20日にワイモバイルが取り扱いを公表しており、6月上旬以降の発売が予定されている。ほかにも楽天モバイルやSIMフリーモデルでの展開も予定される。発売に先立ち実機を使用してみたので、インプレッションを紹介しよう。
「Reno5 A」は日本向けReno Aシリーズの3世代目
まず、Renoシリーズのナンバリングを整理しておきたい。Renoシリーズはグローバルモデルだと数字順の流れがあるのだが、日本市場向けに開発された「Reno A」から始まる系譜は、番号が飛び飛びで俯瞰しづらいからだ。
これまでのReno Aシリーズの軌跡をざっくり振り返ると、OPPOが国内参入したのが2018年――。そこから約1年半が経過した2019年7月に、若者向けのブランドラインとして「Reno(リノ)」シリーズの日本国内向け展開が始まった。そこで発売されたのが「OPPO Reno A」だ。海外メーカーの比較的安価なSIMフリースマートフォンでありながら、防水やおサイフケータイといった日本仕様をサポートしたことで注目を集めた。
2020年夏には、「OPPO Reno3 A」(およびソフトバンクから発売された5G対応バージョンの「OPPO Reno3 5G」)を発売。そして今回、2021年5月発表の「OPPO Reno5 A」は、実質的にこれらの後継に相当する。製品名上のナンバリングは「5」だが、日本市場向けモデルの流れとしては、3世代目というわけだ。
Reno Aシリーズは、同じくOPPOで先進機能を取り入れた「Find」シリーズや、主軸となる「R」シリーズなどと比べると、最新機能で目立つことはあまりない。それでも多くの販路で取り扱われているのは、外観やカメラ性能にこだわりつつ、価格のバランス感が優れていることや、先述した日本仕様への対応が大きな理由だろう。
新モデルのOPPO Reno5 Aも例に漏れず、「かっこよくて、写真はキレイに撮れて、割と安い」――という3拍子をそろえ、IP68の防塵・防水性能やおサイフケータイ機能を装備。これで43,800円という普及価格帯で展開されるのだから、コストパフォーマンスは高い。
通信仕様でいうと、バンドn3/n28/n77/n78での5G通信をサポートしたこともトピックだ。ワイモバイル版の仕様を確認すると、下り最大1.8Gbps、上り最大110Mbpsに対応するとある。nanoSIMスロットを2つ備えているほか、昨今のトレンドでもあるeSIMプランにも対応。ただし物理SIMカードとは排他的で、eSIMを使うと物理SIMは無効になる。
大画面かつスッキリした外観
では、Reno5 Aの具体的な特徴を見ていきたい。Reno5 Aは6.5インチのフルHD+(2,400×1,080ドット)液晶ディスプレイを備えたスマートフォンだ。本体サイズはW75×H162×D8.2mm、重さは約182g。文字通り、手に持つと「大画面」を感じられるサイズ感だ。筆者の手では、片手操作だと画面上部までは指が届かない。ブラウジングを利用する上では、表示できる情報量が多くて快適に感じた。
OSには、Android 11をベースにカスタマイズされた「ColorOS 11」を搭載(検証時のバージョンは「CPH219911A.19」)。例えば、一部のアプリケーションは2画面に分割して表示できるため、検索しながらSNSを操作するといったマルチタスクも対応しやすい。
内蔵スピーカーの音質はそれなりだ。動画コンテンツのサウンドまで楽しみたい場合には、イヤホン類の利用は欠かせないだろう。
外観は決してギラギラした感じではなく、年齢や性別を問わず使いやすいシンプルで洗練されたデザインになっている。背面カメラ部分がやや出っ張っていたり、標準で貼り付けられたディスプレイ保護シールの端にやや指の引っ掛かりを感じるものの、同梱のクリアケースを装着すればどちらも解消されるので、特段気にならない。
生体認証は顔認証と指紋認証(本体背面)が使える。マスク装着時など顔認証が使いづらいシーンでも、指紋認証で認証もスムーズだろう。
カメラ機能が豊富
特筆すべきポイントはカメラだ。Reno5 A4眼の背面カメラを備えており、構成は、6,400万画素のメインカメラ、800万画素の超広角、200万画素のマクロ、200万画素のモノクロ――となる。従来機のReno3 Aでは4,800万画素のメイン、800万画素の超広角、200万画素のモノクロ、200万画素のポートレートという構成だったので、メインカメラの高解像度化(画素数アップ)と、マクロカメラ搭載が仕様上の主な変更点だ。
撮影機能としては、(1)1億800万画素での撮影、(2)ネオンポートレート、(3)ウルトラライトビデオの3点に注目したい。
1つ目は、仕様の6,400万画素を超える1億800万画素での超高解像度撮影だ。カメラアプリを起動後、「その他」画面の撮影機能一覧から「超高解像度」を選んで撮影する。実際にブランケットを撮影してみたが、通常撮影と比べて繊維のディティールがしっかり残った画像を撮影できた。
2つ目のネオンポートレートは、ポートレートモードを選択した状態で、画面左上にあるフィルターアイコンから「ネオンポートレート」を選ぶ。自然なボケ味を再現しつつ明るいポートレートを撮影し、加えて背景の光がいわゆる「玉ボケ」状態に変換されることもわかりやすい変化だろう。
今回は夜景スポットまで赴く時間がなかったので、室内で1~2mくらい離れた背景にLED照明を置いて試してみたが、ネオンポートレートでキレイな仕上がりになっていて驚いた。
3つ目は、AIハイライトビデオ機能だ。こちらはAIアルゴリズムを用いて、シーンに応じて明るさ調整を行う。「ビデオ」機能を選択中に、画面上部中央のアイコンをタップすることで利用できる。例えば、薄暗い場所では「ウルトラライトビデオ」という表示が画面上に現れ、被写体や背景に合わせて露出を調整。実際に試してみた範囲では、不自然に明るさが調整されるということはなく、「自然に明るくなる」印象だった。
ちなみにビデオ撮影に関しては、「Ultra Steady Video 3.0」として、複数パターンの手ブレ補正機能を提供している。こちらの「プロ」モードをオンにして使ってみたところ、上下左右だけでなく、前後の手ブレ振れも低減されているようなイメージだ。
性能についても問題なし
そのほか主要なスペックについては、プロセッサにSnapdragon 765Gモバイルプラットフォーム(オクタコア、2.4GHz+2.2)を搭載。メモリは6GB、ストレージは128GBと、余裕のある構成だ。最大1TBのmicroSDXCカードにも対応する。
試しに、レーシングゲームアプリの「アスファルト8」をインストールして遊んでみたが、特に不快感なく遊べた。端末の機能としては、ステータスバーやナビゲーションボタンなどを非表示にするなどといった「ゲーマーモード」にも対応していることもポイントだ。
ベンチマークは価格相応のミッドレンジといった結果。最近のモバイル向けゲームはゲーム側で負荷を調整してくれることも多いこともあり、大抵のアプリは問題なく遊べると思う。ちなみにReno5 Aには、CPUとGPUのクロック数を作業負荷に応じて調整する「ハイバーブースト4.0」機能も備わっており、消費電力を最小限に抑えながらプレイできる点にも触れておく。
バッテリー容量は4,000mAhで、18Wの高速充電に対応することもOPPOらしいポイントだ。今回検証はしていないが、「スーパー節電モード」をオンにすると、電池残量が5%でも1.5時間のチャットが可能とうたうなど、5G対応モデルゆえのバッテリーの懸念に配慮した機能も注目しておきたい。
繰り返しとなるが、OPPO Reno5 Aは、4万円台前半で5G通信に対応。防水やおサイフケータイをサポートし、カメラ機能にもこだわっているなど、多くのユーザーに訴求しそうな特徴がそろっている。2021年夏を代表する1台になる可能性は高そうだ。
OPPO Reno5 A SIMフリーモデルの主な仕様
- OS:colorOS(Android 11ベース)
- CPU:Snapdragon 765G
- メモリ:6GB
- ストレージ:128GB
- ディスプレイ:約6.5インチ液晶(2,400×1,080ドット)
- メインカメラ:有効画素数約6,400万画素+約800万画素+約200万画素+約200万画素
- 防水・防塵:IPX8/IP6X
- Bluetooth:Ver.5.0
- 電池容量:4,000mAh
- Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac(2.4GHz、5GHz)
- おサイフケータイ:〇
- フルセグ/ワンセグ:-/-
- SIM:nanoSIM(デュアルSIMスロット※microSDXC排他)、eSIM
- 5G:n3/n28/n77/n78
- FDD-LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/26/28
- TD-LTE:B38/39/40/41/42
- サイズ(幅×高さ×厚さ):約74.6×162×8.2mm
- 重さ:約182g
- カラーバリエーション:アイスブルー、シルバーブラック