独ゼンハイザーは5月7日(現地時間)、ヘッドホンやイヤホンといったコンシューマー事業を、補聴器や人工内耳など医療聴覚ソリューションを手がけるスイス Sonova Holding AGへ、2021年末までに事業譲渡すると発表した。

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    ゼンハイザー、ヘッドホンなどのコンシューマ事業をスイスSonovaへ譲渡

補聴器のPhonak(フォナック)ブランドなどを持つSonovaは、同社の事業ポートフォリオに、ゼンハイザーのヘッドホン/イヤホンやサウンドバーといったコンシューマー事業を追加し、完全に移管。両社はヒアラブル製品や完全ワイヤレスイヤホン、オーディオマニア向けのヘッドホンの市場に大きな可能性を見出しているとのことだ。

Sonovaは、ゼンハイザーブランドを今後使用していくライセンス契約も締結した。現在、ゼンハイザーのコンシューマー事業には約600人の従業員がおり、Sonovaへ異動するかたちとなる。

ゼンハイザーは2021年2月、プロフェッショナル事業に注力するとし、コンシューマー事業のパートナーを探すことを発表していた。同社は今後、プロオーディオ、ビジネスコミュニケーション、ノイマンの3事業部門にリソースを集中させる。

ゼンハイザーの共同CEOであるダニエル・ゼンハイザー氏は「(両社は)ユニークなオーディオ体験への情熱を共有するだけでなく、非常に類似した企業価値も共有している」、アンドレアス・ゼンハイザー氏は「Sonovaは、ゼンハイザーのコンシューマー事業を長期的に強化していくことを確信している」とそれぞれコメント。

また、SonovaのCEOであるアルント・カルドウスキ氏は、「ゼンハイザーがコンシューマー事業をさらに発展させるために、Sonovaを選んだことを非常に嬉しく思う。パーソナルオーディオデバイスの急成長市場は急速に進化している。我々の聴覚学の専門知識とゼンハイザーの音響配信のノウハウを組み合わせることで、早い段階で重要なタッチポイントを作れる」と述べている。