小型軽量のフルサイズミラーレスカメラ「SIGMA fp」に、シグマ史上最高解像度を誇るニューモデル「SIGMA fp L」が加わりました。評価の高いコンパクトでスクエアなボディはそのままに、61メガピクセルという高解像度センサーを搭載し、毎日気軽に持ち歩けるモンスターカメラに仕上がっています。同時に発表された外付けの電子ビューファインダー「EVF-11」も要注目です。

  • 4月16日に販売を開始したフルサイズミラーレス「SIGMA fp L」。実売価格は、ボディ単体モデルが248,000円前後、EVF-11 キットが298,000円前後。いずれも在庫は潤沢です

SIGMA fp Lは、パッと見ではSIGMA fpから変化がないように見えます。しかし、よく確認すると、前面のロゴ下には彫り込まれた「L」の刻印が存在するのが分かります。なかなかシブい演出ですが、コッソリと買い替えてもバレにくいのはメリットかもしれません(笑)。

冗談はさておき、fp Lはいろいろと手が加えられています。一番の注目点は、やはりセンサーでしょう。シグマ史上最高解像度、かつLマウント史上最高の有効約6100万画素というフルサイズセンサーを搭載しました。ベイヤー方式となりますが、撮影したカットを等倍で確認していると、「こんなに解像しているのか!」とか「撮影時に気付かなかったものまで写っている!」というように、シグマ独自のFoveon X3センサーで撮った写真を見ているときの感動が蘇ってきます。4Kなどの高精細ディスプレイだと、より迫力が感じられました。とにかく高精細でリッチな写真を堪能できることは間違いありません。

圧倒的な解像度を活かした新機能も搭載しています。それは「クロップズーム」です。簡単に言ってしまえば、画像の周辺をカットしてズームする機能なのですが、最大5倍、フルHDの解像度まで画面中央部をズームインしての撮影が可能です。背面液晶のピンチイン・アウトでクロップする範囲を変えてズーム撮影できるなど、スマホ感覚の操作も取り入れています。同社のIシリーズなどの単焦点レンズでの撮影時には大いに役立ちそうです。

オートフォーカス性能もアップデートされました。コントラスト検出方式に加え、新たに像面位相差オートフォーカスが搭載され、より高速に、より正確にピント合わせができるようになりました。スチルだけでなくムービーの撮影時にも大いに役立つことでしょう。

面白い機能が、QRコードによる撮影設定の共有です。これは、ユーザーが設定したカメラのシャッタースピードやホワイトバランス、カラーモードなどの情報をQRコード化できるもの。SNSで設定を公開したり、仲間同士で同じセッティングで撮影して腕比べなどができるなど、新しいカメラの楽しみ方が考えられますね。

  • 撮影設定をQRコードで表示するユニークな機能を新たに搭載。このQRコードをメールで知人に送ったりSNSで共有すれば、ほかのfp Lユーザーもすぐさまその設定で撮影できる

操作ボタンの配置はfpを継承するものの、背面右下に位置する「MODE」ボタンはわずかに引っ込んだ形状となり、不用意に手が当たってモードが変わらないようになりました。背面ダイヤルも改良され、重めの回転感に変更されました。fpだと触れるだけで動いてしまうことがあったので、ユーザーの声を反映したうれしい改良点といえます。さらに、MIC端子のラバーキャップも意図せず開いてしまわないように変更されています。

このように、驚くような解像度はもちろん、クロップズームやハイブリッドオートフォーカスの搭載など、fpの基本性能を底上げしたのが魅力です。外付けの「EVF-11」も登場し、しっかりカメラをホールドして撮影ができるところも見逃せません。

ボディ内手ブレ補正機構こそ備えませんが、掌に収まる世界最小最軽量のフルサイズボディで6100万画素の高画素を駆使した撮影ができる感動は、一度体験すると病みつきになるはず。Quattroシリーズを愛用している筋金入りのFoveon X3センサーファンなら、気になる存在になることでしょう。

  • 61メガピクセルという解像感は魅力的です。このような被写体を確実かつ正確にキャプチャーできるからです。古いビルを覆う枯れた蔦、そしてその壁。これでもかという描写力で画面一杯に表現してくれるカメラに仕上がっています

  • 超広角ズームレンズ「14-24mm F2.8 DG DN」で、新宿にある東京都庁をあおって撮りました。超高解像度センサーは余すところなく高層建築物を再現してくれました。ローパスフィルター搭載なのでモアレも発生しにくく、好ましい描写をしてくれました

  • 高解像度機というと、高周波の被写体を絞ってパキーンと撮影するイメージがありますが、描写性能の高いプライムレンズを使っての雰囲気ある描写も得意です。「65mm F2 DG DN」で絞り開放にて撮ったカットですが、古びた木桶に延びる水道パイプをソフトに捉えられました

  • ブラブラと徘徊中に何気なく撮影したプレハブのカットですが、建物のサーフェスからガラス窓内にあるカーテンの描写が素晴らしくて驚きました。Foveon X3センサーを思い起こさせるディテール表現だと感じます

  • 桜の季節は終わりましたが、新緑シーズンをこの超高解像度機で撮るのが待ち遠しくてなりません。青々としたグリーンをLマウントレンズ群で撮るのは、まさに至福といえるでしょう。古民家の前で芽を吹き出した木を「85mm F1.4 DG DN」で捉えてみました。葉の様子が実に克明です

  • 同時発表した外付け電子ビューファインダー「EVF-11」は必須の存在と感じます。0.5型、約368万ドットの有機ELパネルは見やすく、アイポイントも長いので、さまざまなシーンで有効です。両手と接眼部でカメラを保持でき、手ブレを防ぐ効果も絶大です。意図した通りのフレーミングで蔦の葉をキャプチャーできました

  • サイケで人目を引く写真を撮影できる新しいカラーモード「デュオトーン」。が搭載されました。とはいっても、なかなか使いどころが難しいので、RAWで撮影をして、シグマ公式サイトで無償配布されている「SIGMA Photo Pro」で現像時にいろいろと試行錯誤するのがオススメです。なお「SIGMA fp」で撮影したものも現像できます

  • ネガカラー調の色合いを演出できる「パウダーブルー」も面白いカラーモードとして注目できます。静物やスナップ撮影はもちろん、ポートレート撮影でもいい雰囲気になりそうです

  • 撮影した写真は、できれば大画面の4Kディスプレイで見ることをオススメします。もちろん、A3ノビ以上にプリントするのもよいでしょう。外観はSIGMA fpと変わりありませんが、撮影結果はまるっきり違います。その外観と使用感からは想像もできないほど上質な結果を提供してくれるのです。高解像度を要求される仕事や、繊細な描写を求める風景、建築、製品撮影などで大いなる実力を発揮してくれるカメラに仕上がっています