意図的に隠されているわけではありませんが、確かにアプリの「戻る」ボタンにはあまり知られていない機能があります。iOS 14で追加された機能により、ボタンを長押しすることでメニューやフォルダの階層を表示することができるのです。

たとえば、『設定』アプリには多くの項目があり、さらに下位の項目(子項目)が設けられていることがあります。子項目にも下位の項目(孫項目)を、孫項目にも...と階層構造を持たせ、1つの入口から複数の設定項目へと分岐できるしくみです。

『設定』にかぎらず、そのような入れ子状のメニューを持つアプリは少なくありません。『Keynote』や『Numbers』などの文書作成アプリにも同様のメニューがありますし、『ファイル』アプリでiCloudストレージの領域をブラウズする作業も、階層構造を上下するという点で同じです。

iOS 14には、そのようなメニューを操作するためのボタン(ナビゲーションボタン)共通の機能として、長押しすると階層を表示する機能が用意されているのです。「戻る」ボタンにかぎらず、画面左上に表示されている「<○○○○○」というスタイルのボタンであれば同様に操作できます。

しかも、この機能が使えるのはiOSに標準装備のアプリだけではありません。iOS備え付けのメニュー機構 -- 開発用語では「Navigation Controller」 -- を備えたアプリであれば、サードパーティー製でも利用できます。有名どころでは、TwitterやMicrosoft Translatorで利用できますから、いちど試してみては?

  • 画面右上の「