米国時間で1月11日からオンラインで開催されているCES 2021の2日目の基調講演でAMDのLisa Su CEOが同社の最新製品に関してのPreviewを示した。

氏の講演はまずCOVID-19への戦いに関する同社の取り組みに触れたうえで、モバイルマーケット向けに新しくRyzen 5000 Mobile Processorを今年2月から投入することを発表した(Photo01)。前日にIntelがやはり8コアのTiger Lakeをアナウンスしたとはいえ、市場投入の時期で言えばAMDの方が先行する(Photo02)。このRyzen 5000 MobileはRyzen 4000 Mobileから更に性能を上げたとしており(Photo03)、IntelのTiger LakeベースのCore i7-1185G7と比較しても十分高速、としており(Photo04)、1バッテリーのシステムであっても一般的な使い方で17.5時間、動画の視聴だけなら21時間の再生が可能(Photo05)、とアピールした。

  • Ryzen 5000 Mobile Processorを示すSu氏

    Photo01: Ryzen 5000 Mobile Processorを示すSu氏。

  • Photo02: もっと言えば、Ryzen 4800Uとかが既に8core/16threadでTDP 15Wとして投入されているから、別に5000シリーズ以前にこの右端の項目は達成されている訳だが、1日の差で"Only"ではなくなった(販売されている、という意味ではまだ"Only"だが)形だ。

  • Photo03: これに関してはこちらでも触れた通り、CezanneでコアがZen 3になってIPCは改善したものの、GPUなどは据え置きとあって、そう大きな性能改善にはなっていない。

  • Photo04: 主にCPU性能での比較。コア数にあまり関係しない、PCMark 10 ApplicationのスコアでもTiger Lakeを上回っているとする。

  • Photo05: 脚注によればRyzen 7 5800Uに53WHRのバッテリーを搭載したシステムとの事。General UsageはMobileMark 2018を実施したそうだが、同じ構成でRyzen 7 4800Uだと動画視聴は2時間、General Usageは3.7時間短くなったとの事。

加えて、今回からHXというラインナップを追加した事を発表した(Photo06)。ハイエンドのRyzen 9 5980HXを利用した場合、Horizon Zero DawnがFull HD/High Qualityの設定で100fps以上で動作するとしており(Photo07)、競合製品と比較しても十分高い性能を発揮するとする(Photo08)。こうした勢いを駆って、2021年はRyzen 5000 Mobileを搭載したシステムが150以上登場すると予告した(Photo09)。

  • Photo06: これでPerformance Mobile向けはHX(TDP 45+W)/H(TDP 45W)/HS(TDP 35W)の3つのバリエーションが生まれた形に。

  • Photo07: Horizon Zero Dawnは相対的にCPU Boundaryなベンチマークなので、解像度が低いところでは割とCPU性能でフレームレートが決まりやすいあたりからデモに利用されたのだろう。

  • Photo08: こちらはハイエンドのRyzen 9 5980HXではなく、その下のRyzen 9 5900HXとCore i9-10980HKとの比較になっている。

  • Photo09: もっともIntelは前日に、2021年に500以上のモデルがOEMから登場するとしていたから、まだ追いついている訳ではないのだが。

2つ目がGPUについて。2021年はRDNA 2製品を更に投入するとしたうえで、まずGaming Notebook向けのMobile製品のプレビューデモを公開(Photo10)。このMobile向けRDNA 2製品は今年前半中にOEMパートナーに出荷を開始するとした(Photo11)上で、メインストリーム向けのDesktop用カードもやはり今年前半に出荷すると説明した。

  • Photo10: Dirt 5を1440P、UltraHigh Settingで実施中の様子。これで60fps以上が確保できる、としている。

  • Photo11: Mobile向けはともかく、Desktop向けは2種類のSKUがあるようにも見える。もっともGPUそのものは両方で共通で、短い方は単にNanoシリーズの再現、という可能性もあるが。

最後がServer向けのEPYC。昨年のPreviewからあまり進展は無いが、WRF ModelのシミュレーションをGeon Gold 6258Rと比較して68%高速、というデモが示された(Photo13)。

  • Photo12: 今回はあまり具体的な話は無し。

  • Photo13: 脚注でも細かい話はなく、"Reference platform with Pre-production EPYC "MILAN" 32-core Processor"とあるだけである。

ちなみに今回の発表では、まだGPUやEPYCに関しては製品SKUなどは示されていないが、Mobile向けRyzenに関しては基調講演にあわせて表1の様に詳細スペックが公開された。GPUの詳細とか価格などに関しては、もう少し発売日が近くなってから改めて公開されるものと思われる。

■表1
Core Arch. Core数 Thread数 Boost Clock(GHz) Base Clock(GHz) L3(MB) TDP(W)
Ryzen 9 5980HX Zen 3 8 16 4.8 3.3 16 45+
Ryzen 9 5980HS Zen 3 8 16 4.8 3.0 16 35.0
Ryzen 9 5900HX Zen 3 8 16 4.6 3.3 16 45+
Ryzen 9 5900HS Zen 3 8 16 4.6 3.0 16 35.0
Ryzen 7 5800H Zen 3 8 16 4.4 3.2 16 45.0
Ryzen 7 5800HS Zen 3 8 16 4.4 2.8 16 35.0
Ryzen 5 5600H Zen 3 6 12 4.2 3.3 16 45.0
Ryzen 5 5600HS Zen 3 6 12 4.2 3.0 16 35.0
Ryzen 7 5800U Zen 3 8 16 4.4 1.9 16 15.0
Ryzen 7 5700U Zen 2 8 16 4.3 1.8 8 15.0
Ryzen 5 5600U Zen 3 6 12 4.2 2.3 16 15.0
Ryzen 5 5500U Zen 2 6 12 4.0 2.1 8 15.0
Ryzen 3 5300U Zen 2 4 8 3.8 2.6 4 15.0