米AMDは1月12日(現地時間)、ノートPC向けの新世代CPUシリーズ「Ryzen 5000 Series Mobile Processor」を発表した。同社最新のデスクトップPC向けCPUであるRyzen 5000シリーズと同世代となる、Zen 3アーキテクチャをベースとしている。ASUS、HP、Lenovoら主要PCメーカーが搭載製品を計画しており、2021年第1四半期から順次リリースされる見通しだ。

  • モバイル版のZen 3、「Ryzen 5000 Series Mobile Processor」を発表する米AMDのLisa Su(リサ・スー) CEO

    モバイル版のZen 3、「Ryzen 5000 Series Mobile Processor」を発表する米AMDのLisa Su(リサ・スー) CEO

Cezanneの開発コード名でも知られていたモバイル版のZen 3世代Ryzenが正式に発表された。性能重視の「H」モデルと、省電力な「U」モデルのSKUを用意し、Hモデルはさらにゲーマー/クリエイターをターゲットとする「HX」モデルと、TDPを抑えた「HS」モデルにも派生する。ラインナップと主なスペックは以下の表の通り。

■Ryzen 5000 Series Mobile Processor
モデル コア/スレッド 動作周波数(Boost/Base) 合計キャッシュ TDP 世代
Ryzen 9 5980HX 8C/16T 4.8/3.3GHz 20MB 45+W Zen 3
Ryzen 9 5980HS 8C/16T 4.8/3.0GHz 20MB 35W Zen 3
Ryzen 9 5900HX 8C/16T 4.6/3.3GHz 20MB 45+W Zen 3
Ryzen 9 5900HS 8C/16T 4.6/3.0GHz 20MB 35W Zen 3
Ryzen 7 5800H 8C/16T 4.4/3.2GHz 20MB 45W Zen 3
Ryzen 7 5800HS 8C/16T 4.4/2.8GHz 20MB 35W Zen 3
Ryzen 5 5600H 6C/12T 4.2/3.3GHz 19MB 45W Zen 3
Ryzen 5 5600HS 6C/12T 4.2/3.0GHz 19MB 35W Zen 3
Ryzen 7 5800U 8C/16T 4.4/1.9GHz 20MB 15W Zen 3
Ryzen 7 5700U 8C/16T 4.3/1.8GHz 12MB 15W Zen 2
Ryzen 5 5600U 6C/12T 4.2/2.3GHz 19MB 15W Zen 3
Ryzen 5 5500U 6C/12T 4.0/2.1GHz 11MB 15W Zen 2
Ryzen 3 5300U 4C/8T 3.8/2.6GHz 6MB 15W Zen 2

最上位の「Ryzen 9 5980HX」は、ブース最大4.8GHzで動作する8コア/16スレッドの構成で、前世代のRyzen 9 4900Hとの比較でシングルスレッド性能は最大23%、マルチスレッド性能でも最大17%の高速化を実現しているという。なお、表にもある通り、5000シリーズであっても、Uモデルの一部にZen 2ベースのものが混じる。UモデルはZen 3+Vega GPUのCezanne(開発コード名)と、Zen 2+Vega GPUのLucienne(開発コード名)の混在ラインナップだと推測される。

  • ゲーマーやクリエイターをターゲットとした「HX」モデルは、デスクトップ向けRyzenに負けないくらい強力なスペックを備える

    ゲーマーやクリエイターをターゲットとした「HX」モデルは、デスクトップ向けRyzenに負けないくらい強力なスペックを備える