100年に一度レベルの感染症が蔓延した現代――皆さまいかがお過ごしでしょうか。筆者は夫と子どもの3人暮らしですが、2020年の年始以来、実家には一度も帰っていません。その代わり、ビデオ通話をする機会が増えました。

  • 筆者と父の通話風景。LINEのエフェクトの使い方にお互い慣れていない

    筆者と父の通話風景。LINEのエフェクトの使い方にお互い慣れていない

首都圏はもちろん、帰省先でも新型コロナウイルスが流行していたのでやむなしとはいえ、日々成長する我が子、実家勢からしたら孫の姿を直接見られないというのは、予想以上に寂しいもので……。

そこで自分と夫の実家に「オンライン忘年会をしない?」と提案したところ、ふたつ返事で決まりました。これまでのビデオ通話より腰をすえて話すことになりそうです。

私の親はたまたまガジェット好きで、放っておいても通話環境をあれこれカスタムしているのですが、夫の実家の父母はスマートフォンが得意なほうではありません。親世代では、そちらのほうが平均的な状況だと思います。

そこで、夫の実家と自宅に関して、より快適なオンライン忘年会に向けた準備をすることに。同じような境遇の方々参考になればと思い、ひとつずつ振り返ってみます。

通話アプリはどれにする?

何をおいても決めておきたいのは通話に使う手段。スマートフォンで使えて、ビデオ通話に対応し、ユーザー数が多い安心感や、さらに通話料が無料(※データ使用量は別途)という条件でアプリを探すと、以下のものが挙がります。

  • コミュニケーションツール大手のLINEは、親世代にも浸透している印象です

    コミュニケーションツール大手のLINEは、親世代にも浸透している印象です

家族がガラケー派で、スマートフォンを使っていない場合もあると思います。その場合、Zoomほかオンラインミーティングツールを活用すると便利です。主催者がルームのURLを招待したい人に教えて、PCやタブレットで開いてもらうと通話できるため、アプリをインストールするところからレクチャーするより手軽です(PCやタブレットが必要ですし、操作は別問題ですが……)。

  • オンライン会議ツール「Zoom」はコロナ禍で一気に知名度を高めました。全員が同じアプリをダウンロードしていなくても済むのは利点です

    オンライン会議ツール「Zoom」はコロナ禍で一気に知名度を高めました。Webブラウザでも使えるので、全員がZoomアプリをダウンロードしていなくても済むのは利点です

Microsoft TeamsやSlackなどもありますが、無料メンバーシップでは機能制限があり、多人数でのラフな通話には不向き。親世代に使ってもらうという状況を考えても、あえてビジネス向けツールを使う理由はなさそうです。

親も使い慣れているLINEでやろうと思っていたのですが、テスト通話をしてみて、通話品質(遅延の少なさ、音質、画質)ではFaceTimeが快適に感じました。参加者は全員iPhoneユーザーだったので、FaceTimeでもいいかも?と思っていましたが、ふと頭によぎったのはデータ使用料のことでした。

気になるLINEの「ギガ」使用量は?

自宅に固定料金のインターネット回線とWi-Fi環境があれば特に気にしなくて問題ないですが、スマホのLTE回線で通話する場合、気になるのがビデオ通話で消費するデータ通信量、いわゆる「ギガ」の消費です。

LINEが公表するところによれば1時間あたり307MB。1GB≒1,000MBなので、3時間連続でビデオ通話するとおよそ1GBを消費します。個人的に思ったよりは控えめの使用量でしたが、スマホ回線で長電話する場合、月々の契約で使用量が決まっている「ギガ」(データ容量)をそれなりに使うので要注意です。

ちなみに、ZoomをWi-Fiがない環境で使う場合、1時間で700MBほど必要。LINEのおよそ倍ですね。

そして先ほど快適に感じたFaceTimeですが、iPhoneの通話履歴に使用データ量が表示されるので見てみると、1分で35.4MB。1時間通話を続けたとすると、2,124MB(約2GB)! 画質がよいぶんデータ量は多いので、お互いWi-Fi環境がある状態で使うのが無難です。

最近はメインキャリアを中心にスマートフォン回線の大容量プランが充実しているため、個別のインターネット回線をひかない人も増えています。自分がWi-Fi環境を整えている場合でも、相手の環境がどうなっているか聞いてみるのは大切です。

LINEとFaceTime、比べてみて選んだのは……

夫の実家のWi-Fi環境はコロナ禍になる前に整えていまいた。確認したところ、今もWi-Fiは現役だそうなので、データ通信量には気を遣わなくてよくなったのは助かりました。ちなみに、実家と我が家の使っているスマートフォンと、インターネット環境は以下の通りです。

■自宅の通話環境
スマートフォン:iPhone 11 Pro×2台
通信:光回線、Wi-Fiあり

■夫の実家の通話環境
スマートフォン:iPhone 6、iPhone 8
通信:光回線、Wi-Fiあり

■筆者の実家の通話環境
スマートフォン:iPhone 12
通信:光回線、Wi-Fiあり

全員にインターネット回線とWi-Fi環境があるので、通話品質のよいFaceTimeを使うことも検討しました。ですが、私の父親とFaceTimeでテスト通話したところ、普段iPhoneをそれなりに使っている父でも操作に苦戦していたので、夫の実家の父母は通話どころではなくなってしまうと判断。今回は慣れを第一にして、LINEでビデオ通話することにしました。