早速買ってきたKano PCを前に、ちょうど暇そうにしていた三男と一緒に内容物のチェックと組み立てをやってみた。パーツはタブレット本体と背面カバー、バッテリー、スピーカー、カバー兼キーボード、電源アダプター(USB PD対応/38Wh)、充電ケーブル(USB Type-C to Type-C)、電源アダプターの日本用プラグ部分、それに取扱説明書とステッカーが2枚入っていた。ちなみにWebカメラなどは内蔵しておらず、現在純正のカメラ、組み立て式マウス、ヘッドセットが販売されている。しかし本体発売時にはどれも発売前だったので、まだ我が家にはいずれもない。

  • パッケージは黒い保護スポンジを外していくと徐々にパーツが現れていく仕掛けで、なかなかワクワクする体験だ

本体サイズは幅287.5×高さ194.0×奥行き35.6mm。厚さ1cmを切るのが当たり前のiPadや最近の薄型タブレットPCに慣れ親しんだ身にはちょっと…いや、めちゃくちゃ分厚い。「タブレット(板)」と呼ぶのを躊躇われる厚さだ。もっとも、これはモジュラー構造を採用し、誰でも安全に組み立てられるようにしたことを考えれば仕方ないだろう。実際、約1mからの落下テストに耐えるほど頑丈だというし、このくらいは我慢してもいいかもしれない。

パーツチェックが終わったところで三男に組み立てさせてみた。小学校でパソコンの授業は何度か経験しており、普段はiPod Touch(第5世代)やNintendo Switchで遊んでいる。デジタルネイティブ世代で、タッチ操作についてはお手の物だが、パソコンについてはド素人なので、Kano PCのターゲットとしてはうってつけだろう。

  • さあ行け三男。ちなみにプラモデルも作ったことがない筋金入りのド素人である

組み立てキットとはいえ、基本的にはバッテリーとスピーカーをつないで背面カバーを嵌めるだけだ。三男もバッテリーとスピーカーまではすぐに繋げられたが、思いの外時間がかかったのは背面カバー。カパッと乗せるだけでは固定されず、カチッと固定されるまで押し込まねばならないのだが、プラモ作りなどの経験がほとんどない三男にはなかなか勘が働かなかったようで、3分ほど苦戦していた。

  • カバーの取り付けに苦戦中の三男。非力なのもあってカバーが全然ハマらない

また、最後にキーボードカバーを接続するときにも、ディスプレイに輸送中の保護フィルムが貼ってあったせいで、ディスプレイ面をそれと認識していなかったようで、表裏を入れ替えるという発想になかなかたどり着けずに苦労していた。トータルでは約15分程度で組み立て終えられた。

  • 「お父さん、コネクターが反対に付いてるよ?」それはキーボードが反対なんじゃないかな、息子よ

自作PC気分と言っても、パーツは少ないし間違う要素もないので、子供でも簡単に取り組める点は高く評価できるが、より高性能を目指したくなる高学年向けにパーツの組み替えでパワーアップさせたり、機能を追加しやすい設計になっていたらよかったと思う。具体的にはCPUを変えたり、メモリの追加、スピーカーのステレオ化などが考えられるが、この価格と設計の中に落とし込むには無理があるのだろう。あるいは透明な背面カバーの下に(PowerBook 1400シリーズのブックカバーのように)好きな絵などを挟み込めるようになっていても面白かったかもしれない。