リンクスインターナショナルより、英国・Kano社の教育向け組み立てタブレットPCキット「Kano PC」が好評のようだ。パーツを組み合わせるだけで自作PC気分も味わえることで話題となったKano PCだが、我が家でも発売日に購入して数カ月、子供たちに使わせてみた結果をレビューしたい。

  • Kano PC

    Kano PC

Kano PCは、英国・Kano社が開発・販売する、教育市場向けの2-in-1形式のWindows PCだ。基本はタブレットスタイルで、カバーを兼用するキーボードを装着することでノートPC的にも使える。特徴は、モジュラー構造を採用しており、簡単な組み立てキットの体裁となっている点。本体にバッテリーとスピーカー、それに背面カバーを組み込むことで、気軽に自作PC気分を味わうことができる(壊れた時は交換も容易だ)。

  • Kano PCを構成する全パーツを並べたところ。充電器がUSB Type-C(USB PD)というところが現代的だ

ちなみに、もともとKanoはRapsberry PiベースのハードウェアにLinuxベースのKano OSを搭載して150ドルというDIYコンピュータキットを開発・販売していたが、Microsoftの目に留まり、Windowsが動くハードを開発したとのこと。DIY気分を味わうのはお手の物というわけだ。

細かいスペックやハードウェアレビューはすでにマイナビニュースにも多数掲載されているので、そちらをご覧いただいたほうがいいと思うが、基本的には11.3インチのタッチスクリーンにCeleron N4000と4GBのメモリ、64GBのeMMC、OSはWindows 10 Proを搭載している。文部科学省の、いわゆる「GIGAスクール構想」に準拠したモデルだ。実売価格は4万円代と、GIGAスクール構想準拠の中でも比較的お安く、「学校でパソコンの授業も始まるし、子供が使いやすいPCを1台」と思っている人にはかなり訴求するのだろう。

ところでGIGAスクール構想PCのスペックに対して物申したい人がたくさんいらっしゃることかと思う。世界を見渡せば、途上国の子供らにもラップトップPCを配布したいという「One Laptop Per Child」(OLPC)の「Infinity Laptop」や、そこからスピンアウトした豪One Educaion Foundationの「Infinity:One」がほぼ同等のスペックなので、文科省のお役人もそこを参考にしたのではないかと思われる。だが、ここは落ちぶれたと言えどまだ先進国の日本であり、3万円も出せばローエンドのノートPCが手に入るご時世だ。子供が数年使うPCなら、もう少しスペックを盛ったところでバチは当たらなかっただろう。お役人諸氏には猛省を促したい。

さて、我が家には中学2年を筆頭に三人の子供がおり、型落ちのiPhoneやiPadを使わせてはいたのだが、そろそろ学校の環境に合わせたPCを用意してやろうと考えていたところだったので、話題性に釣られる形で発売開始と同時に1台購入した。