• 「タブレットmimi」と「AutoMemo(オートメモ)」を掲げる、ソースネクスト代表取締役社長の松田憲幸氏

2020年11月10日に開催された「ソースネクスト 新製品発表会」で、ソースネクストは2つの新製品を発表しました。同社の売れ筋商品である翻訳機「ポケトーク」は本来、海外旅行で多く使われるものですが、今回、「ポケトーク」のテクノロジーを応用した新たな2製品が登場したことで、翻訳テクノロジーの可能性が感じられました。

ユーザーの声をきっかけに生まれたAIボイス筆談機

ソースネクストの代表的な製品である翻訳機の「ポケトーク」。その高い翻訳精度や音声をテキスト化する技術を応用したのが、新商品の「タブレットmimi」です。話した言葉をAI音声認識エンジンがテキスト化して、タブレット本体の画面に表示するというシンプルな商品ですが、難聴者にとってはコミュニケーションを円滑にするための有効なツールになりうるといいます。

世界の難聴者の数は、WHOのデータによると現在約5億人。この人数は継続的に増加し、2050年には9億人に達すると予測されているそうです。日本でも高齢社会が進む中、会話の内容が文字でわかれば、さまざまなコミュニケーションに活用できます。

発表会では医師との会話、介護施設や老人ホームでのコミュニケーションのほか、家族や友だちとの会話などでの利用を提案していました。確かに聞こえた言葉が不明瞭でも、その言葉を文字として見ることができれば、スムーズに会話ができそうです。

  • 「タブレットmimi」。テキスト化するには通信環境が必須なため、2年分の通信利用がセット(eSIM)になっています

「タブレットmimi」の開発は、ユーザーの声がきっかけだったそうです。ソースネクスト代表取締役社長の松田憲幸氏は、次のように語りました。

「ポケトークでは日本語を日本語に翻訳することができ、そのように設定すると、話した言葉がそのままテキスト化できます。この機能が非常に良いと、多くのお客さまから感謝の声を頂きました。難聴者や難聴者を抱える家庭では、大声で話したり、コミュニケーションに時間がかかったり、あまり会話しなくなったりと、様々なシーンで不便さを感じていることがわかりました。また補聴器は使用しているものの、聞こえづらさを感じている人が多く、コロナ禍でマスクを着用することで、口の動きがわからず、さらに会話がしづらくなっているそうです。これは便利に利用できる商品を開発するべきだと思いました」。

文字の拡大も自由にできる

「タブレットmimi」は電源を入れるだけで話した言葉が文字になるという操作の手軽さに加え、文字は日本語が読みやすい教科書フォント。文字サイズも大きくできるなど、高齢者の人でも利用しやすくなっています。

本体自体に通信機能があり、国内通信2年付きなので、Wi-Fiを設定するなどの操作も不要。普段はクレードルに差し込んでおくことで充電でき、持ち運びも可能と、シンプルな機能ながら使いやすさが追求されています。これなら年配の両親にも、送るだけで使ってもらえそうだと思いました。

  • 「タブレットmimi」31,800円(国内通信2年付き)。12月4日発売予定

そして、「ポケトーク」のテクノロジーを使ったもう1つの新製品が「AutoMemo」です。