MediaTekは11月10日、Chromebook用のチップセット「MT8195」と「MT8192」を発表した。TSMCの6nmプロセス技術で製造されるMT8195はプレミアデバイス向け、メインストリーム向けのMT8192は7nmプロセスで製造される。軽量・薄型デザイン、長いバッテリー駆動を可能にする特徴を残しながら性能を向上させ、在宅勤務やオンライン学習のニーズに応じてカメラ関連処理を充実させた。MT8192を採用したデバイスは2021年第2四半期に、続いてMT8195搭載デバイスが登場する見通し。

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    MediaTek、次世代Chromebook向けのチップセットを発表

MT8195は、パフォーマンス向けのArm Cortex-A78コア×4個と、高効率動作向けのCortex-A55コア×4個を組み合わせたオクタコアCPUを備える。メモリは2133MHz LPDDR4X。グラフィックスは5コアのMali G57 GPU。最大3つのディスプレイの同時表示、Dolby Vision、7.1chサラウンドオーディオ、AV1ハードウェアビデオアクセラレーションをサポートする。

MT8192は、Arm Cortex-A76コア×4個とCortex-A55コア×4個を組み合わせたオクタコアCPU、Mali-G57 GPU、2133MHz LPDDR4xメモリ、UFS 2.1ストレージという構成。リフレッシュレート60HzのWQHD (2560×1440)表示、最大120HzのフルHD+表示が可能。

どちらも4K HDRビデオのデコーディング、PCI-Express Gen 3、USB 3.2 Gen 1をサポート。音声コントロールやイメージ認識など音声処理やコンピュータビジョンの様々なタスク向けにデザインされたAPU (AI Processing Unit)が統合されている。カメラ関連処理は、HDRイメージ信号プロセッサ、ハードウェア深度エンジンを搭載。80MP 4セルのカメラ、32MPのシングルカメラ、16MPと16MPのデュアルカメラなど、カメラの柔軟な構成に対応する。

GIGAスクール構想、新型コロナウイルス禍によるオンライン学習の伸びで日本でもChromebookの稼働台数が急増している。MM総研の市場調査によると、2019年末時点で24万5,000台、国内のノートPC市場全体のシェア1%だったChromebook市場が、2020年末には181万6,000台(シェア13%)に拡大する見通しだ。