GitHubは10月23日(米国時間)、YouTubeの動画をダウンロードできるオープンソースソフトウェア「youtube-dl」に関連する18個のリポジトリを削除した。米国レコード協会(RIAA)からの法的な削除要請を受けての処置だという。顛末は、FOSSBYTESの同10月24日の記事「GitHub Removes Popular YouTube Video Downloader 'Youtube-dl'」が詳しく伝えている。

youtube-dlはYouTubeをはじめとしてViemoやDaylyMotionに公開されている動画や音声をダウンロードすることができるダウンローダーで、オープンソースとして開発されており、無料で利用することができる。RIAAはGitHubに対して、同プロジェクトのソースコードがRIAAメンバーの著作物の不正なコピーや配布を行う目的で設計されていると主張し、youtube-dlプロジェクトをそのフォークプロジェクトと併せてサイトから削除するように求めたという。

現在、youtube-dlプロジェクトと関連する17のプロジェクトのリポジトリにはいずれもアクセスできなくなっており、下図のように「デジタルミレニアム著作権法(DMCA)の削除申請に基づいて無効化した」と表示される。

  • 無効化されたyoutube-dlリポジトリ

    無効化されたyoutube-dlリポジトリ

youtube-dlの開発者はこの申請に対して異議を申し立てることもできるが、反証を成立させるには長い時間がかかる可能性がある。youtube-dl自身は、著作権で保護されたコンテンツを直接配布しているわけではない。しかしRIAAの主張は、YouTubeなどのストリーミングサービスによって行われている技術的な保護機構を回避するツールの提供自体を違法視しているのだと専門家は指摘する。

もちろん、すでに個人のPCにインストールされたyoutube-dlは現在も継続して使用することはできる。あくまでも法に反しない範囲で、これらのツールを利用してコンテンツを楽しむのは個人の自由である。ただしyoutube-dlに関しては、今後セキュリティアップデート等の提供が停止される可能性もあるため注意が必要となる。