小型さからは想像できない高いパフォーマンス

それでは、各種ベンチマークテストを用いて性能を数値でチェックしてみましょう。ベンチマークは基本性能編として「PCMark 10」「CINEBENCH R20」「Octane 2.0」「CrystalDiskMark」を使用し、グラフィック性能編として「3DMark」「ドラゴンクエストX」「FF14 漆黒のヴィランズ」「Rainbow Six Siege」を使用しました。なお、ドライバーにはホームページ上で自動検出された「20.8.3」をインストールしています。テスト中は不安な挙動を一切見せず、安定して動作していました。

  • 「CPU-Z」

  • 「Radeon Software 20.8.3」

  • 「CINEBENCH R20」

  • 「PCMark 10」

  • 「Octane 2.0」

  • 「CrystalDiskMark」

Ryzen 7 PRO 4750Gについておさらいしておくと、CPUは8コア16スレッドで「Zen 2」アーキテクチャを採用。「Vega」アーキテクチャ採用のGPUは8コアで、動作周波数は最高2,100MHzです。Zen+世代APUのフラッグシップモデル「Ryzen 5 3400G」では4コア8スレッドだったので、コア/スレッド数が倍増。いずれも順当に性能が向上しています…と書くと無難に見えますが、この小型サイズでこのパフォーマンスが得られるインパクトは相当のものがあります。

  • 「3DMark」Night Raid

  • 「3DMark」Sky Diver

  • 「3DMark」Time Spy

  • 「ドラゴンクエストX」

  • 「FF14 漆黒のヴィランズ」

  • 「Rainbow Six Siege」

GPUを含めた総合性能として、ゲームタイトルのベンチマークも実施。3DMarkでは内蔵GPU向けの「Night Raid」「Sky Driver」「Time Spy」で性能を計測しました。画面描画は全くカクついておらず、スムーズに描画されていました。

また、32GBメモリを搭載したところVRAMに4GBが割り当てられ、最低1.02GB程度のVRAMを要求する「Rainbow Six Siege」のベンチも軽快に動作させることができました。しっかり60fpsを維持して十分なレスポンスが得られていたため、問題なくゲームを楽しめると思います。

余談ですが、筆者の個人的な関心でAndroidエミュレーターをインストールし、オフラインにした状態でGeekbenchアプリを用いてベンチマークを計測しました。結果としては仮想環境にも関わらず極めて高いパフォーマンスを実現でき、対応ゲームタイトルでは60fpsを越える画面描画が可能。いくつか普段遊んでいるタイトルをプレイしてみたところ、スマートフォン実機に劣らない快適さでした。小型マシンで重量級ゲームはやらないけど、ちょっとしたゲームがやれればな…と考えていた筆者にとってとても魅力的に感じられたことは、言うまでもありません。

  • Geekbench「Multi-Core Comparison」。端末名は仮に割り当てられているものです

  • 3DMark「Sling Shot」

デスクトップ向けRenoirに最有力候補

小型PCの構成ではMini-ITXフォームファクタも選択肢に上がりますが、内蔵GPUを使用するためにグラフィックスカードのスロットが必要なく、メモリもデュアルチャネル用の2枚だけで良いとなれば、DeskMiniが採用する超コンパクトなMini-STXフォームファクタは極めて魅力的。さらに電源ユニットをACアダプターに置き換えてしまうことで圧倒的なコンパクトサイズを実現しており、性能/サイズ比で他の製品を一切寄せ付けません。デスクトップ向けの強力なパフォーマンスを2リットル未満の小型サイズで実現するDeskMini X300は、好評を博したA300に引き続き大きな存在感を出しそうです。

2020年10月7日更新:記事初出時、製品名を「Deskmini」と表記しておりましたが、正しくは「DeskMini」です。お詫びして訂正いたします。

試用機の主な構成
CPU AMD Ryzen 7 PRO 4750G
メモリ DDR4-3200MHz 16GB×2
ストレージ Crucial P5 512GB
グラフィックス 内蔵Radeon Graphics
グラフィックスドライバー Radeon Software 20.8.3
OS Windows 10 Pro 64ビット版
ネットワーク RealtekRTL8111H ギガビットイーサネット
サイズ W155×D155×H80mm