iOS 14のSafariには、「プライバシーレポート」というプライバシー保護に関連した機能が追加されています。URLバーの左端にある「AA」ボタンをタップし、「プライバシーレポート」を選択すると、次の画面でトラッカーによる活動を防止したサイト名と件数を確認できます。

WEBにおいてトラッカーとは追跡者を意味し、どのようなWEBサイトを閲覧したかのアクセス解析に用いられるプログラムの総称です。その目的はさまざまですが、閲覧したWEBサイトの傾向からユーザの関心事項や興味がある製品を割り出し、広告の表示に役立てることが広く行われています。たとえば、オンラインショッピングで見た商品がやたらと広告に表示されるようになるのは、トラッカーが収集した情報によるものです。

一部のWEBサイトにはトラッカーの機能が仕込まれ、アクセスしてきたユーザがどのようなアクションを行うか記録します。個人を特定できるほどの情報は取得しませんが、記録から「このスマホからよく検索されている単語は"ウイスキー"」という情報がわかり、ひいては「"ウイスキー"がよく検索されるということは30代以上の男性」といった情報を導き出せます。そうすれば、よりユーザの嗜好にあった広告を表示できるというわけです。

Safariには、トラッカーの活動を抑止する機能(サイト越えトラッカーの検出、インテリジェント・トラッキング防止機能)が組み込まれており、プライバシーレポートは、そのようなトラッカー抑止活動を記録し、ユーザの求めに応じて統計情報を表示してくれます。

「プロファイルの作成を阻止されたトラッカー」とは、Safariの機能によりトラッカーの活動が抑止された件数を、「トラッカーにコンタクトしたWebサイト」は、アクセス後に(外部の)トラッカーを呼び出したWEBサイトの比率を意味します。トラッカーはユーザのさまざまな情報を記録しようとしますが、Sfariはアクセスに使用しているスマートフォンやパソコンを識別するデータを改変するなどして認識精度を下げ、プライバシー保護にひと役買っているのです。

  • Safariの「プライバシーレポート」とは