ソニーは、FeliCa Standard非接触ICカード向けの次世代ICチップとして、現行のFeliCa Standard ICチップと互換性を保ちつつ、新たにクラウドと連携したデータ管理により、第三者の不正利用を防ぐFeliCaセキュアID機能を搭載した新たなICチップを開発したと発表した。

ISO/IEC 9798-4に準拠したアルゴリズムを実装した同ICチップを利用することで、ID読み出し時に改ざんを検知することが可能となり、各種電子決済や会員サービスなどのオンライン型サービスなどの用途において、各サービス事業者が顧客情報の管理やサービス内容の変更・更新をクラウド上で柔軟かつ安全に行うことが可能になるという。

また、異なるサービス事業者間で、それぞれの既存システムを生かしながら互いのサービスを追加し、データ連携ができる機能(拡張オーバーラップ機能)も搭載したほか、FeliCaの標準機能を備えるFeliCa Standardの機能に加え、セキュリティ機能を簡易化しファイルシステムを最適化したFeliCa Lite-S機能も搭載するなどにより、既存のインフラを活用して開発負担を抑えながら、統合したサービスを提供することが可能になるともしている。

さらに、通信データの改ざん検知のみをサポートするセキュリティオプションも用意。これにより、要件となるセキュリティニーズを満たした上で高速トランザクションを重視するユースケースにおいて、コストなどとのバランスをとったシステムソリューションの構築も可能になるという。

なお、ソニーでは、同ICチップならびに同ICチップを搭載したカード製品「RC-S120」の量産を2020年11月ころより開始するとしているほか、今後はカード以外の形状の製品、および対応するリーダー/ライター製品なども開発・製品化やFeliCaセキュアID機能の有効活用に向けたクラウド側でのID認証や管理を行うプラットフォーム環境の整備についても検討を進めていくとしている。

  • FeliCa

    次世代ICによりFeliCaにクラウド連携によるなりすまし防止が搭載される