米Qualcommは6月30日(現地時間)、従来製品よりも処理能力を高速化しつつ、省電力化も実現したWear OS向けSoC「Snapdragon Wear 4100」ならびに「Snapdragon Wear 4100+」を発表した。Wear OSは、Goorleがスマートウォッチなどのウェアラブル機器用に提供しているOSだ。

2018年に投入した「Snapdragon Wear 3100」の後継製品で、CPUコアの刷新などで処理性能を85%向上させたほか、チップの製造プロセスルールの28nmから12nmへの微細化などによる省電力化で、バッテリー寿命を25%改善させたなどとしている。

Snapdragon Wear 4100の主な構成は、CPUがARM Cortex A53(4コア、最大1.7GHz)、GPUがAdreno 504、メモリがLPDDR3(750MHz)、ストレージがeMMC 4.5、モデムがSnapdragon X5 LTE。通信機能は802.11a/b/g/n、Bluetooth 5.0、NFCに対応するほか、有線のUSB 2.0も備える。

  • Qualcomm、Wear OS向け新型SoC「Snapdragon Wear 4100」 - より高速省電力に

    Snapdragon Wear 4100+のブロック図。無印と+の違いはQCC1110搭載の有無だ

Snapdragon Wear 4100と4100+の主な違いはalways-on (AON)用のコプロセッサ「QCC1110」の搭載有無。このコプロセッサを搭載するSnapdragon Wear 4100+では、心拍数や傾きをモニタリングし睡眠や覚醒をより高速に検知したり、アラームやタイマー、歩数カウント、触覚フィードバックへの対応が可能で、画面の表示可能色も16色から最大64,000色へと増やすことが出来る。高機能なスマートウォッチには4100+、廉価デバイスには4100という位置づけだろう。

Qualcommは既に両SoCの出荷を開始しており、メーカーによる搭載デバイスの発表が数カ月のうちにあるだろうと説明している。