シュナイダーエレクトリックは8月19日、ワンストップで製造装置のクラウド接続・遠隔監視を提供するソリューション「Air Connect for Machine Advisor」を同24日から発売すると発表した。

ニューノーマルを見据えた社会環境の変化に伴い、製造現場でも接触機会を減らす活動の一環としてリモート監視などの導入が求められ、クラウド接続のニーズは高まっている一方で、装置メーカーはコストや設定の複雑さからクラウド化にハードルがあるのが現状となっている。また、出荷済みの装置の場合、制御プログラムの書き換えや性能テスト、複雑な通信設定などの問題があり、クラウド化の障害になっているという。

昨年、同社では世界各拠点に出荷した装置をクラウドベースで常時遠隔監視するサブスクリプションモデルのプラットフォーム「EcoStruxure Machine Advisor」の提供を開始している。

新ソリューションは、装置メーカーの課題となっていた出荷済み装置のクラウド化のハードルを解消するため、4Gルータ・4G-SIM契約・クラウドプラットフォームのすべてをワンストップで提供し、IoT向けモバイル通信サービスを提供するコネクシオの共同開発した。

  • 「Air Connect for Machine Advisor」の利用イメージ

    「Air Connect for Machine Advisor」の利用イメージ

新ソリューションのパッケージは4Gルーターがコネクシオのエッジコンピューティングゲートウェイ「CONEXIOBlackBear」、通信サービスがTRIBE-biz モバイル,TRIBE-biz VPN モバイル、ネットワーク網がNTTドコモ網、クラウドプラットフォームがEcoStruxure Machine Advisorで構成している。

CONEXIOBlackBearを新たに開発した専用の設定ツールやクラウドプラットフォームと組み合わせ、必要なデータだけを簡単にクラウドに上げることでトータル遠隔監視を行う。

クラウドへの接続を簡単に行えるセットアップツール「Air Connect 設定ツール」を利用することで導入時に必要となるのはクラウド上で監視したい装置データのアドレス、データ収集の周期、クラウド上の表記名などを定義するCSVファイルのみ。ファイルをAir Connect 設定ツールに読み込むだけで、複雑な通信設定やクラウド設定なしにプログラムレスの遠隔監視を実現しているという。

  • 「Air Connect 設定ツール」の接続イメージ

    「Air Connect 設定ツール」の接続イメージ

4Gルータ・4G通信(SIM)契約・クラウドプラットフォームのすべてを同社が一元提供するため、接続や契約に関する問い合わせについても、一括したトータルサポートが可能であり、SIM契約も含めた年間費用一括での購入(前払い)にも対応する。また、新ソリューションは輸出用装置にも展開可能であり、海外拠点の装置監視もできる。

なお、クラウド監視ソリューションを使用しない「Air Connect」単体(4Gルーター+4G-SIM契約)での購入もでき、多機能な4Gルータとして顧客のクラウドシステムやPro-face Remote HMIやPro-face Connectなど、同社が提供する遠隔監視ソリューションに活用が可能。さらに、通信(SIM)契約やデータ量により、プランのカスタマイズにも対応している。